ミネラルの基礎知識

1. 亜鉛-男性の勃起不全や精液欠乏症を改善

体の中では何千種類もの酵素が、生命活動を維持するためにさまざまな代謝を行っています。亜鉛は、タンパク質の合成やインシュリンをはじめとするホルモン分泌など、約300種類もの酵素を活性化します。

とくに、タンパク質の合成に深く関与し、不足すると細胞分裂が正常に行えなくなります。そのため、皮膚の炎症や傷が治りにくい、脱毛、爪の異常、味覚異常などを起こします。

また、男性の場合、勃起不全や精液欠乏症に。妊婦は分裂と成長を繰り返す胎児の成長不良を招くので注意しましょう。

1. 亜鉛の効果効能

  1. 肌、爪、髪の健康キープ ~敗亡分裂を正常に保ち肌荒れや脱毛、爪の異常を防ぐ。
  2. ガンや老化を予防 ~活性酸素の働きを抑制しガン細胞の発生や老化のスピードを遅らせる。
  3. 生殖機能を正常に働かせる ~胎児の成長、男性の勃起不全や精液欠乏症を改善。
◇亜鉛摂取の注意点

2g以上の過剰摂取で急性中毒をおこす危険がある。亜鉛が不足すると、この免疫反応がうまくいかなくなり、かぜをひきやすくなるようです。

2. 亜鉛はこんな人におすすめ

  1. 味を感じない人
  2. 爪に白い斑点がある人
  3. 抜け毛が気になる人
  4. かぜをひきやすい人
  5. 性能力が減退している人
  6. 動脈硬化を予防したい人

摂取量の目安は「ミネラル亜鉛サプリメント」を参考にしてください。


 

2. カルシウム-現代人がもっとも不足がちなミネラル

カルシウムは、丈夫な骨や歯をつくるのに欠かせない栄養素ですが、神経を鎮めたり、筋肉の興奮を抑制するなど、体の生理機能のバランス維持にも役立っています。

体に最も多く含まれるミネラルでもあり、成人体重の1.5~2%がカルシウムです。

カルシウムは99%が骨や歯に含まれていますが、残りの1%は血液や筋肉、神経などに存在しています。日本人のカルシウム摂取量は所要量を下回っているのが現状なので、意識してしっかりとっておきたい栄養素です。

1. カルシウムの効果効能

  1. 骨や歯の形成 ~カルシウムは、丈夫な骨や歯をつくるために欠かせない栄養素です。
  2. 神経を鎮め、ストレス緩和 ~神経の興奮やイライラを抑え気持ちを落ち着かせる。
  3. 女性ホルモン分泌に影響を与える ~生理不順や肌荒れなどの解消にも効果を発揮します。
  4. 高血圧などを予防する ~心臓の収縮をスムーズにするため、高血圧や動脈硬化を防ぐ。

2. カルシウムが不足すると

  1. イライラ、怒りっぽい、憂鬱、思考力の低下など精神が不安定になる。
  2. 今、問題になっているいわゆる「キレる子」の原因と関係しているといわれています。
  3. 骨がスカスカになり、肩こりや腰痛、骨粗しょう症などによる骨折を引き起こします。

3. カルシウム摂取の仕方

骨はカルシウムの他に、マグネシウム、ナトリウム、リン、亜鉛といったミネラルを含んでいます。そのため、他の栄養素との摂取バランスが大切です。

リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げます。リンは加工食品やスナック類多くふくまれているので、食生活の見直しが必要です。

また、ビタミンDはカルシウムと一緒にとることで、骨密度が上がり、骨代謝も活発になります。さらに、骨づくりに欠かせない成長ホルモンの分泌は夜間に活発になるので、カルシウムは夕食時にとることが望ましいといえます。

◇カルシウム摂取の注意点

ベーシックなサプリメントとして、継続した摂取がおすすめ。食材に由来する成分で、特に副作用は知られていない。大量に摂取すると、胃腸障害などを起こすことがあるので注意を要する。

摂取量の目安は「日本人のミネラルリン摂取基準」を参考にしてください。


3. 銅-胃腸の粘膜を守り、胎児の成長に欠かせない

貧血の多くは鉄欠乏性貧血ですが、鉄が充分にあっても銅がないと、貧血になります。ただ、銅はいろいろな食品含まれているので、不足する心配がありません。

銅を含む酵素には、骨や血管壁を強化するコラーゲンやエラスチンの生成に働くものもあります。骨粗鬆症や、血管壁がもろくなっておこる動脈硬化や動脈瘤を防ぐために銅が必要です。

1. 銅の効果効能

  1. ヘモグロビンの合成を助け、貧血を予防する。
  2. コラーゲンの生成にはたらき、骨や血管壁などを強化する。
  3. ビタミンCを体に使うときに必要。
◇銅摂取の注意点

銅容器で酸性食品の保存、銅鍋での酸性食品の調理などによる過剰摂取すると、中毒をおこすことがある。

2. 銅はこんな人におすすめ

  1. 貧血気味の人
  2. 動脈硬化・骨粗鬆症を予防したい人
  3. 慢性関節リウマチを予防したい人

摂取量の目安は「日本人のミネラル銅摂取基準」を参考にしてください。


4. 鉄-貧血を予防し、粘膜の免疫力をアップ

 鉄には貧血を予防することと、粘膜の免疫力をアップする働きを持っています。

赤血球中のヘモグロビンという色素タンパクが全身に酸素を運んでいるのですが、鉄はそのヘモグロビンの重要な構成要素になっています。

 近年、成人女性の3人に1人が、貧血症状があるといわれ、鉄不足の人が多い傾向にあります。

そのほか、無理なダイエットをしている人、妊娠中の人、インスタント食品をよく食べる人に、貧血は多く見られるので、特に注意が必要です。

1. 鉄の効果効能1

貧血の防止~体内にある鉄の60~70%は、ヘモグロビンという色素タンパクに含まれ、「機能鉄」として全身の細胞に酸素を運んでいます。

しかし、鉄は体の中に4~5gほどしかなく、体内でつくることができません。そのため、食物からとる必要がありますが、不足すると体が酸欠状態になり、疲労感やめまいといった貧血症状があらわれます。

鉄の効果効能2

粘膜を丈夫にする~鉄には粘膜の免疫力をアップする働きがあります。口内炎や口角炎、舌炎など、粘膜が傷ついたときは、鉄の補給をしましょう。

2. 鉄不足の症状

  1. 疲労感やめまいといった貧血症状、頭痛、耳鳴り、少し動いただけで動悸や息切れがする。
  2. 体がだるく、食欲がなくなったり、足が重く感じることがある。
  3. 顔色や手のひらに赤みが少なく、青白く見える。
  4. まぶたの裏や歯茎、爪なども血の気が失せて白っぽい。
  5. 口内炎や口角炎などができやすい。
  6. 集中力や思考力、記憶力が衰えた。

3. 鉄摂取の仕方 ~避けたい食べ合わせ

コーヒーなどのカフェイン、緑茶のタンニンなどは、鉄の吸収を妨げます。

◇鉄摂取の仕方コツ ~良い食べ合わせ~緑黄色野菜や穀物に含まれる鉄は、非ヘム鉄のため、吸収率が低いので、この場合、吸収効果が高まる動物性タンパク質やビタミンCと一緒にとることをおすすめします。

◇鉄摂取の仕方 ~ヘム鉄の摂取~鉄の吸収率は10%程度と、極めて低いが、ヘム鉄は吸収率が倍以上にアップするので、ヘム鉄が含まれる食品をとることをおすすめします。

ヘム鉄はレバーなどの肉類や、カツオなどの魚介類に多く含まれています。一方、緑黄色野菜や穀物などに含まれる鉄は非ヘム鉄なので、吸収率は落ちます。

摂取量の目安は「日本人のミネラル鉄摂取基準」を参考にしてください。


5. カリウム-生命活動の維持に欠かせないミネラル

カリウムは生命活動の維持に欠かせないミネラルです。体重1kgあたり、2gのカリウムが体内に存在し、そのほとんどが細胞内液に溶け込んでいます。

そして、ナトリウムとともにエネルギーの生産に関与したり、神経や筋肉の機能を正常に保ったり、細胞内外のミネラルバランスを調節するなどの大切な役割を持っています。

1. カリウムの効果効能

  1. ミネラルバランスを保つ : カリウムは細胞内液に多く、ナトリウムと互いにバランスをとり、りカリウム濃度を一定に保つ。
  2. 血圧を下げる : カリウムには、ナトリウムを排泄して心拍を安定させたり、血圧を下げる作用があります。

2. カリウムが不足すると?

神経や筋肉の機能を正常に保つことができなくなり、さまざまな症状があらわれます。

  1. 高血圧、糖尿病、ストレス、食欲不振、筋力低下、むくみ
  2. 重度のときは、神経障害、精神障害、不整脈、心停止
  3. 夏バテの原因は多量の発汗による低カリウム血症が原因ともいわれています

3. カリウムが多く含まれている食品

昆布、ヒジキ、丸干しイワシ、ホウレンソウ、サツマイモ、パセリ、切干大根大豆、納豆、タケノコ、キノコ類、アーモンド干し柿、トマトジュースなど

◇カリウム摂取の注意点

食材に由来する成分で、特に副作用は知られていない。腎機能障害がある場合は、カリウムの排泄障害から高カリウム血症を起こすことがある。

摂取量の目安は「日本人のカリウムミネラル摂取基準」を参考にしてください。


6. リン-赤血球を作る働きを助け造血のビタミン

カルシウムに次いで体内に多いのがリンです。骨が歯を形成するほか、生体のあらゆる場面で重要な役割を保っています。

通常の食生活を送っていれば不足することがないので、あまり関心を持たれていませんが、リンの働きはとても重要です。

リンの約80%はカルシウムと結合してリン酸カルシウムをつくり、骨の主成分となっています。残りは、筋肉、脳、神経、肝臓などあらゆる組織にあたります。

細胞膜や遺伝をつかさどる核酸を構成し、細胞の成長と分化、エネルギーの運搬、神経や筋肉の機能を正常に保つうえで不可欠です。不足すると、骨弱くなるほか、新陳代謝が低下して、筋肉が弱ったり、だるくなったりします。脳へのはたらきも大切で、リン脂質となって脳をつくるのに欠かせないミネラルといえます

1. リンの効果効能

     
  1. 骨や歯をつくる主材料となる。
  2. 細胞膜を構成する。細胞の成長と分化にはたらく。
  3. 神経や筋肉の機能を正常にする。
  4. ビタミンB1・B2と結合して捕酵素となり、糖質の代謝を進める。
  5. 高エネルギーのリン酸化化合物をつくり、エネルギーを貯える。
  6. ナイアシンの吸収を助ける。
  7. ビタミンDが不足すると利用率が低下する。
◇リン摂取の注意点

過剰摂取で軟組織にカルシウムが沈着する。2g以上の摂取で副甲状腺機能亢進をきたす。

摂取量の目安は「日本人の リンミネラル摂取基準」を参考にしてください。


7. マグネシウム-骨や筋肉、脳、神経などに不可欠な筋肉のミネラル

マグネシウムは筋肉の収縮を促して、神経の高ぶりを抑えたり、細胞内の浸透圧や酸とアルカリのバランスを調節する作用があります。また、さまざまな酵素の働きに必要なミネラルで、エネルギー代謝やタンパク質の合成、体温や血圧の調整など幅広い役割を持っています。

体内にあるマグネシウムの半分は骨や歯、残りは筋肉、脳、神経などに含まれますが、それらが正常に機能するうえで不可欠なことから、「筋肉のミネラル」とも呼ばれます。

マグネシウムは、汗や尿で排泄されやすく、不足しがちなミネラルの一つ。また、ストレスや飲酒、過度の運動や運動不足、脂肪分の多い食事などでもマグネシウムの消費は著しくなります。さらに、妊婦や高齢者もカルシウムと一緒に補給することをおすすめします。

1. マグネシウムの効果効能

  1. 神経の高ぶりを抑制する : カルシウムとの相互作用で神経を安定させ、ストレスを解消する効果がある。
  2. 心臓疾患を予防する : 心臓の収縮を正常に保ち、狭心症や心筋梗塞、脳卒中を防ぐ。
  3. 筋肉痛の痛み緩和する : 筋肉の収縮をスムーズにする作用があり、筋肉痛や疲労を回復 する効果があります。

2. マグネシウム摂取の仕方

不足を防ぐためには、日頃からマグネシウムを豊富に含む、豆類や海藻類を積極的に摂取する。一方、カルシウムやリンの過剰摂取はマグネシウムの吸収を悪くするので注意しましょう。また、多量にとると副作用として下痢を起こします。

マグネシウムはカルシウムとのバランスが重要で、それぞれの1対2~3が理想とされている。両者の摂取比が小さいほど、虚血性心疾患による死亡率が低いとの報告も出ています。

マルネシウムには、カルシウムの細胞内への流入を調節したり、カルシウムが血管壁や腎臓などに沈着するのを防ぐ役目があるのです。

マグネシウムが不足すると?

マグネシウムが不足すると、不足分を補うために骨組織からマグネシウムが放出されますが、同時にカルシウムも大量に放出されてしまいます。

過剰のカルシウムが細胞内に流れ込むと、筋肉が収縮し、けいれん、しびれ、めまいなどの症状が起こります。さらに筋肉の収縮が十分でないと、高血圧、高コレステロール血症、動脈硬化、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、頭痛、糖尿病、慢性アルコール中毒、骨粗しょう症、神経や精神の疾患などを引き起こす恐れがあります。

◇マグネシウム摂取の注意点

食材に由来する成分で、特に副作用は知られていない。ただし腎臓障害のある人は過剰摂取に注意し、サプリメントを薬と併用する場合、主治医に相談のうえで利用すること。

摂取量の目安は「日本人のミネラルマグネシウム摂取基準」を参考にしてください。


8. マンガン-コレステロールの合成、骨の形成に

マンガンは生体にとって必須で、骨の石灰化やタンパク質などの代謝にはたらいています。コレステロールの合成、骨の形成、エネルギーづくりに関与しています。

骨の形成には、主材料となるカルシウム・リン・ミネラル・ビタミンやマンガンも必要です。骨や関節を丈夫にする結合組織はマンガンが補酵素となっている酵素がないと合成できません。そのため成長期に不足すると発育不全になります。

また、マンガンは糖質、脂質、タンパク質の代謝にはたらいて酵素の構成成分であり、タンパク質の合成やエネルギーづくりに働いています。

1. マンガンの効果効能

  1. 骨の形成にかかわる。
  2. 糖質、脂質、タンパク質の代謝に働く多くの酵素を構成する。
  3. 血液凝固因子の合成に必要。
  4. コレステロールや甲状腺ホルモン、インスリンの生成にかかわる。
  5. 活性酸素を分解する酵素SODの構成成分として、細胞膜の酸化を防ぐ。

2. マンガンはこんな人におすすめ

  1. 植物性食品の摂取が少ない人
  2. インスタント食品や加工食品を多く取る人
  3. 骨粗鬆症・糖尿病を予防したい人

摂取量の目安は「日本人のミネラルマンガン摂取基準」を参考にしてください。


9. モリブデン-体内で鉄の利用を高めるのに必要

糖や脂質の代謝や体内で鉄の利用を高めるのに必要なミネラルである。多く含まれる食品 : 穀類、豆類、緑黄色野菜、レバー、乳製品

摂取量の目安は「日本人のミネラル摂取基準」を参考にしてください。


10. ナトリウム-摂りすぎが続くと高血圧などを招く

人が必要とするナトリウムの多くは食塩という形で体内に取り込まれます。ナトリウムはミネラルの一種で細胞の内側と外側の体液のバランスをとるはたらきなどがある。健康な日常生活を営むための食塩の目安量は、1日10g以下とされています。

1. ナトリウムの効果効能

  1. カリウムとともに細胞の浸透圧を維持し、細胞内外の物質交換、水分調整などにはたらく。
  2. カリウムに拮抗して、筋肉や心筋の弛緩に作用する。
  3. 神経の刺激伝達にはたらく。
  4. カルシウムなどのミネラルが血液中に溶けるを助ける。
  5. 胃酸、腸の消化液の分泌を促して消化を促進する。
  6. 体液のアルカリ度(ペーハー)を調整する。
◇ナトリウム摂取の注意点

慢性的にとりすぎが続くと高血圧、胃がん、動脈硬化などを招く

摂取量の目安は「日本人のミネラルナトリウム摂取基準」を参考にしてください。


11. セレン-関節炎やリウマチ、男性の生殖総力の低下、不妊症に効果

セレニウムとも呼ばれる必須ミネラルの1つで、抗酸化作用を持つ酵素の活性に関わるとともに、自身も抗酸化力を発揮します。そして細胞組織の酸化や老化を防ぎます。

ビタミンCやEと一緒にとれば、一層の効果が期待できるでしょう。また、セレンは、カドミウムや水銀、ヒ素などと体内で結びつき、毒性を軽減する作用もあります。

1. セレンの効果効能

  1. 抗酸化作用 ~活性酸素を除去する酵素の働きを強める作用がある。
  2. 血圧をコントロール ~血圧をコントロールするホルモンの生成に関与している。
  3. 解毒作用ほか ~セレンには、放射線や重金属の害を防ぐ作用もある。
  4. 関節炎やリウマチ、男性の生殖総力の低下、不妊症などにも効果がある。
セレン摂取の注意点

食材に由来する成分で、特に副作用は知られていない。サプリメントによる過剰摂取に注意する。また、薬と併用する場合、主治医に相談のうえで利用すること。

摂取量の目安は「日本人のミネラルセレン摂取基準」を参考にしてください。


12. ヨウ素の基礎知識

ヨウ素は、ナポレオン戦争の際、海藻から火薬を製造しているときに偶然発見された元素です生体内では、そのほとんどが甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンの構成成分として重要な役割を担っています。

ヨウ素は海水中に多く存在するため、海藻類や魚介類に豊富に含まれています。海産物を主とした高ヨウ素摂取の伝統的食習慣を持つ日本では、ヨウ素の摂取量が必要量を大幅に上回っているため、不足が問題となることはありません

過剰摂取により健康障害が引き起こされるため、ヨウ素の摂取を目的としたサプリメント類の利用には注意が必要です。

1. ヨウ素不足の問題

ヨウ素不足はどのようにして起こるのか?ヨウ素不足は食品からの摂取不足により起こります。海に囲まれ、海産物を主とした高ヨウ素摂取の伝統的食習慣を持つ日本では、ヨウ素の摂取量が必要量を大幅に上回り、不足が問題となることはありません

世界的には不足が起こりやすいミネラルです。山岳地帯や内陸部など、土壌のヨウ素含量が少ない地域では特に深刻です

また、キャベツ、キャッサバ、トウモロコシ、タケノコ、サツマイモ、ライ豆、大豆、硬水中のカルシウムイオンなどには、甲状腺へのヨウ素の蓄積を阻害し、甲状腺腫を起こす成分(ゴイトロゲン)が含まれています(1)。

2. ヨウ素が不足すると、どのような症状が起こるのか?

ヨウ素の摂取が不足すると、甲状腺ホルモンの生成が出来なくなります。そのため、下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が増加し、甲状腺の発達を促進することで、ヨウ素不足を補おうとしますが、この状態が続くと、甲状腺の肥大、甲状腺腫が起こります。

ヨウ素欠乏による甲状腺ホルモンの生成不足により、精神発達の遅滞、甲状腺機能低下症、クレチン症、成長発達異常、舌の巨大化、嗄声、動作の緩慢さなどが起こることが知られています。特にクレチン症は、ヨウ素欠乏に由来する最も重篤な疾患です。母親のヨウ素欠乏を主な原因とし、著明な精神障害と神経系の障害を伴う成長不全をもたらすもので、今日でも発展途上国に多く発生しています。

3. ヨウ素過剰摂取のリスク

健康な人では、ヨウ素の摂取量が多少増えても、排泄により調節することが出来ますが、長期間の過剰摂取により、過剰症が起こることがあります。

日本人は、その伝統的食習慣のために、ヨウ素の過剰摂取に対する影響が発現しにくい民族であると考えられていますが、日本でも海藻の多量摂取による過剰症の報告があります。

ヨウ素を過剰に摂取すると、甲状腺機能低下症、甲状腺腫、甲状腺中毒症が起こります。この他、体重減少、頻脈、筋力低下、皮膚熱感などの症状が見られることもあります。食事摂取基準では、日本人の食生活の現状に合わせた上限量を算定しています。

摂取量の目安は「日本人のヨウ素ミネラル摂取基準」を参考にしてください。

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