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深酒以上にアルコールの年間摂取量と頻度が高血圧と強く関係

男性の場合で、ビール中びんを5本以上、ワイン(1杯120mL)なら10杯近くを一度に飲酒する大量飲酒(深酒)は、血圧に悪影響を及ぼすことが示された。深酒以上に、アルコールの年間摂取量と頻度が高血圧と深く関係していることも確認された。

調査には、ロシア、ポーランド、チェコから血圧降下藥を服用していない、45歳から69歳までの男性(7559人)と女性(7471人)からなる都市部の無作為人口標本の横断的データを用いた。

年間アルコール摂取量と飲酒頻度および深酒(一度に男性で純エタノール量換算で100g以上、女性で60g以上の摂取を月に一回以上する)について、段階的頻度評価質問票によって調査を行った。血圧は、連続型変数(収縮期および拡張期血圧)と高血圧(≧140/90mmHg)の変化として分析した。

解析の結果、深酒をする割合は、男性においてはポーランドが12%、チェコが18%、ロシアが32%だった。女性においては、ロシアとポーランドがそれぞれ1%、チェコが3%だった。

男性では、深酒による高血圧のオッズ比は、年齢、国、体格指数、教育程度および喫煙について補正した後で、1.62だった。また、年間アルコール摂取量でさらに補正したところ、1.20まで低下した。女性では、深酒による高血圧の補正後のオッズ比は、1.35で、年間摂取量でさらに補正したオッズ比は1.31となった。


アルコール摂取量と飲酒頻度は、ともに男性血圧と強い関係が認められる

例えば、年間摂取量が12L以上の場合、高血圧のオッズ比は2.5を超え、週に5回以上飲酒する場合ではオッズ比が2を超えていた。なお、女性における年間アルコール摂取量と飲酒頻度の血圧への影響は、男性に比べて明確ではなかった。

そこで、深酒をする群としない群で検討したところ、男女ともに、深酒は年間アルコール摂取量が血圧に及ぼす影響を変化させることはほとんどなかった。この結果は、ワイン、ビールあるいは蒸留酒といったアルコールのどの種類でも同様だった。また、どの国でも同様で、収縮期/拡張期血圧を連続型変数として用いた分析でも同様の結果が得られた。

結論として、「深酒そのものの血圧への影響は中程度であり、アルコール摂取量の血圧に及ぼす影響を変化させるほどのものではなかった」とした。「高血圧はアルコールの年間摂取量や摂取頻度に深く関係しており、特に男性において強い関連性が認められた」

週に純アルコール300g以上、日本酒に換算すると13合以上を長期間飲んでいる人では、年あたりの血圧上昇の割合が大きく、7年間で約3 mmHgも高くなっていることが、男性3900人を対象とした調査で明らかになった。

これまでは1日2~3合(週に14~21合)以上の飲酒が高血圧に関係するといわれてきたが、それより少ない飲酒量でも長期の血圧上昇度が高まる可能性を示唆することがわかった。

その結果、週にアルコール300g以上飲んでいる人では、年あたりの収縮期血圧の変化が、年齢と体重による調整後、非摂取群に比べて0.44mmHg高かった。これは7年間に、3.08 mmHg高くなることを意味する。拡張期血圧では、年あたり0.19mmHg の上昇が見られた。

週300gのアルコールを摂取する群では、非摂取群に対し、ベースラインの血圧値が、収縮期血圧は5.21mmHg、拡張期血圧は4.16mmHg高く、週に200~299g(日本酒換算で8.7合以上)摂取群でも、収縮期血圧は3.9 mmHg高いことがわかった。

「高血圧にならないためには、週200g以下の飲酒に抑える」ことを勧めている。

週200gのアルコール量は、1日あたり約29g、日本酒ならおよそ1.2合、ビールなら中びん1本強、ワインなら200ml程度にあたる。高血圧の予防には、平日はビール中びん1本、週末は2本までといった目安がよさそうだ。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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若年の女性で葉酸の摂取で高血圧が予防できる可能性

比較的若年の女性では、葉酸の積極的摂取で高血圧発症が予防できる可能性

比較的若年の女性では、葉酸の積極的摂取により高血圧発症が予防できる可能性が出てきた。8年間追跡した結果で、米国医師会誌のに掲載された。

女性看護師6万2260人を対象としたStudy I(33~55歳)と同様の9万3803例を対象としたStudy II(25~42歳)において、試験開始時の葉酸摂取量(質問表より算出)により6群に事前層別化を行った(したがって背景因子は6群間に差なし)。

8年間の高血圧発症リスクを交絡因子を補正後、1日葉酸摂取量200μg未満の群と比較すると、Study Iでは、葉酸摂取量が増加すると高血圧発症リスクは低下傾向を示すが、有意な低下となったのは1000μg以上摂取群(相対リスク:0.82、95%信頼区間:0.69~0.97)のみだった。

一方、より若年を対象としたStudy IIでは200~399μg摂取群ですでに低下傾向が認められ(相対リスク:0.91、95%信頼区間:0.83~1.00)、400~599μg摂取群では有意にリスクが低下した(相対リスク:0.81、95%信頼区間:0.72~0.92)。さらに、Study IIにおいて1000μg以上摂取していた群では高血圧発症リスクは0.54(95%信頼区間:0.45~0.66)まで低下していた。またStudy IIでは葉酸摂取量増加に伴い高血圧発症リスクが低下するという有意な傾向も認められた)。

高血圧発症は年齢の影響を受けるため、Study IIの参加者を試験開始時「35歳以下」、「36~40歳」、「41歳以上」に分け、葉酸摂取量と高血圧発症リスクを検討すると、若年ほど葉酸摂取増加によるリスク低下が有意に大きかった。一方、33歳以上を対象としたStudy Iでは、年齢と葉酸摂取による高血圧発症リスク低下作用に相関はなかった。

Study IIにおいて葉酸による作用と有意に相関していたのはBMIである。BMIが25以上の群では葉酸摂取による高血圧発症リスク軽減はほとんど認められない。逆にStudy IではBMIとリスク低下に有意な相関はなかった。

葉酸は各種レバー、緑黄色野菜、緑茶などに豊富に含まれているが、いずれも米国人が好んで摂取する食品ではない。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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しょうがや夏野菜で残暑を乗り切る

夏休みで休暇を十分に取ったはずなのに、どことなく体調が優れないという人はいないだろうか。この時期、いわゆる夏バテが出やすい時期でもある。注意したいものだ。

夏バテとは特定の病気ではなく、疲れに起因する、身体がだるい、胃腸の調子が悪い、気力がないなどの症状を総称している。

その原因の一つが室内と室外の温度差だ体は、自分の状態を一定に保とうとするから、暑いときには汗をかいて体温を下げ、寒くなると今度は冷えないように血管を収縮させて、体温を上げる方向に調整しようとする。夏の暑さで体が疲れている時に短い時間で大きな温度差を経験すると、体の反応が鈍くなってしまうことがある。

今年は節電対策のおかげでオフィスが冷えすぎといった例は少ないとは思うが、それでも長時間にわたり冷房の効いた室内にいると体温調整機能は鈍くなりがちだ。

節電だからといって、寝るときにまったく冷房を使用しないのも夏バテを悪化させる可能性がある。特に都心のマンションなどでは寝苦しくないように適宜使った方がいい。ただし、風の向きや風量には注意が必要だ。


■体温より低い温度の食べ物を食べないのがコツ

体の外側からだけでなく、冷たい飲み物や食べ物で内側からも急激に冷やしてしまうこともある。冷えは胃腸の機能を低下させる。

特に注意したいのがビール。アルコールを消化するには,体内の水分を利用する。また、アルコールには利尿作用があるため、飲むほどに体内の水分を減少させる恐れがある。お酒を飲む際は一緒に水分の摂取も忘れずに。

食事にも気をつけよう。うだるような暑さが続くからといって、そうめんなど冷たいさっぱりしたものばかりを食べると、胃腸を冷やして消化吸収能力を落としてしまいがちだ。だからといって、夏バテを解消しようと無理に焼肉などを食べると弱った胃腸に負担をかけてしまうのでほどほどにしたい。

ポイントは体温より低い温度の食べ物を食べないこと。しょうがやとうがらしなどカラダを温める効果のある食材を取り入れることだ。夏バテに効果がある食材として真っ先に挙げられるのはビタミンB1が豊富な豚肉だ。ニンニクやネギ、ニラなどと組み合わせて食べればさらに効果的だ。

また、夏野菜は水分も多く、水分補給に向いている。アシタバ、パプリカ、オクラ、ゴーヤー、モロヘイヤ、シシトウ、キュウリ、カボチャなどには抗酸化成分のビタミンCやビタミンE、ベータカロテンなどが多く含まれている。


■アロマや漢方薬を利用する手も

夏バテで気分がどうにもスッキリしないときはアロマで気分転換もいいだろう。薬剤師で中医アロマセラピストの有藤文香さんは柑橘系のアロマオイルをオススメする。オフィスで香りを吸い込んだり、自宅でマッサージしたり、体の疲れを癒すのに利用したい。

どうしても回復しないようならば、漢方薬を利用するのも手だ。効果があるとされているのが「清暑益気湯」だ。「人参」「五味子」。「麦門冬」などが含まれている。

また、汗がひどい人には「多汗症と漢方-気力が落ち疲れやすい人に」で紹介している、「黄耆建中湯」「防已黄耆湯」「十全大補湯」などがある。いずれも発汗の調整作用を持っているので、医師や薬剤師と相談して試してみるのもいい。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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水分補給と快適睡眠で夏バテ知らずに

夏バテは,夏特有の慢性疲労現象です。どこかが痛むわけではなく,「ボーッとする」「だるい」「集中力がない」「肩こりがひどい」「むくみが出る」など,漠然とした疲労感が主な症状です。その主な原因は,暑さによる体温上昇や,それを下げるための多めの発汗,発汗に続く体内の水分不足による血流量の減少です。血流量が減ると,それを補おうと心拍数が増えます。その結果,自律神経系が疲労し上記のような症状が起きやすくなるわけです。

夏バテ対策の第一は,体温調整と水分補給です。暑いけれど湿度が低い欧米では,かいた汗は皮膚からしっかり蒸発します。このとき,体表から気化熱が奪われて体温が下がります。このため,欧米の夏は暑苦しくないのです。一方,日本の夏は気温も高いうえに湿度も高いので,汗をかいても効率よく蒸発せず,気化熱による冷却効果は即効性がありません。汗をかいたらよく拭き取って涼しい風に当たるなど,意識して体温を調整しましょう。

こまめに水分を摂取することが大切です。お茶やミネラルウォーター,薄めたスポーツドリンクをお薦めします。缶コーヒーは胃に負担をかけますし,缶ジュースやそのままのスポーツドリンクは割と糖分が多いので,特に糖尿病の傾向がある人は飲みすぎを避けるべきです。汗で失われるのは水分だけではありません。塩分やミネラル成分も一緒に流出します。これらは,薄塩で中くらいの大きさの梅干しを毎日1個とる程度で補給できます。

ビールは夏バテを助長することがあるので注意が必要です。アルコールを消化するには,体内の水分を利用します。加えて,アルコールには利尿作用があるので,飲めば飲むほど体内の水分は減少し,脱水状態になりやすいのです。アルコールを飲む際は一緒に水分の摂取も忘れずに。

栄養バランスや生活リズムにも気を配ってください。「暑いと食欲が出ない」と言って,朝食を抜いたり,そうめんやそばといった麺類ばかり食べている人がいます。しかし,こうした食生活では栄養バランスが崩れて,体力が落ちます。うなぎや豚肉,野菜など,エネルギー代謝を促すビタミンB群を含む食品を積極的にとりたいものです。

食が進まないときは,食材を工夫しましょう。らっきょうや大葉,みょうがといった香味野菜のほか,しょうがやわさびといった香辛料が食欲を刺激します。どうしても食欲が出ない場合は,バナナを1本食べるだけでも,エネルギーやミネラルを補えます。

睡眠不足も,夏バテの引き金になります。毎日定時に寝る,ぬるめの風呂に入る,就寝前にトイレに行く,寝る前に食事をとらない,など安眠のための工夫をすることです。空腹で眠れないときはバナナを1本食べてください。寝酒は眠りを浅くします。お酒を飲むなら,就寝1時間前まで。日本酒なら1合にとどめましょう。

寝苦しい熱帯夜は,冷房器具を上手に利用してください。クーラーなら,室温設定を27~28度くらいに保ち,風量は弱めに。扇風機を使う場合は,風を体に直接当てず,天井に当てて間接風にすると,冷えすぎを防げます。


■「暑いときほど温かいもの」は本当

夏のダルさは特有だ。気温の上昇にともない、汗はダラダラ、胃腸も弱り下痢を起こし、食欲も落ちている…。まさしく夏バテの症状だ。

この夏バテの原因は、もちろん暑さなど環境が招くものでもあるが、何より自分自身の生活習慣が招くものでもある。

まず、体そのものを冷やすことが体力消耗につながっている。

「人間の体内温度は約37度ですが、皮膚の表面温度は25、26度くらいです。汗をかいて、それが蒸発することで冷やされ、体温を調節するようにできています。ところがこう暑いと、体を早く冷やそうと、冷房を強くかける人が多い。営業部隊が戻ってくるオフィスであればなおさらですね。すると表皮温度が下がりすぎて、体は汗をかくのを止め、体表近くの血流を減らし、体からの放熱を減らす方向に調節します。そこで、また外に出ると、暑くて、放熱をしなければならなくなり、体に大きな負担となります。また、体温が低下してしまうと、体温を上げようし、そのため体力を消耗します。なにしろ、人間の基礎代謝量のほとんどは、体温維持に使われていますから、疲れるわけです」


■冷たいものの飲食で内臓を冷やすことが、不調につながる。

「“なんとなく”の夏の不調については、まず食べ物、飲み物を見直すことです。夏バテであれば、なおさらです。

原理的に解明されたものではないので血液検査などの検査でわかるものでもありませんが、ダルさの要因としては、主に消化吸収機能の不調が考えられます」

これは食欲減退にも関わってくる。暑い→冷たいさっぱりしたものを飲食する→胃液が薄まり・胃腸が冷える→消化吸収能力が弱る→体力が落ちる→食欲が落ちる→冷たいさっぱりしたものを飲食する、という悪循環が起きるのだという。

「冷たいものを食べすぎてお腹をこわすのは、誰しも経験したことがあると思います。夏場、慢性的に冷たいものを飲食し続けると、胃腸の消化吸収機能がおとろえ、体力消耗につながります。そして消化吸収機能の低下から体力が低下して、免疫力も低下し、結局、風邪をひきやすくなったり、感染症をもらいやすくなったりするわけです」

逆に言えば、食べるもの、飲むものに気をつければ、免疫力は維持される(あるいはアップする)ということだ。

「もちろん、胃腸の働きを活発にすることは、自己治療につながりますから、ぜひ実施していただきたい

体温以下の食べ物をとらないこと。しょうがやとうがらしなど身体を温める食材をとること。ただしカレーのような、脂肪分の多いものは、体力減退時には逆効果になりかねません。油分は、消化に時間がかかるからです。それならば、あっさりした食事に、カレー風味をつけたりスパイスを加えるほうがお勧めです。

また、どうしてもそうめんなどの消化の良い、あっさりしたものも食べたくなりますが、冷たい状態で食べれば内臓温度が下がります。あえて、温かいにゅうめんで、しょうがを加えるなどして食べましょう


■夏、気をつけるのはこの病気!

「ペットボトルでお茶など水分を摂るようになってから、一日の摂取量が増えたと思います。水分をたくさん摂れば、むくむのは当然です。女性では、月経前にむくむ方がおられることからわかるように、ホルモンの働きによりむくみが出やすいのです。ですが、人体は摂取している食塩の量に応じて、体液が貯留するので、普段から塩分をたくさん摂っている方では、男女を問わず、むくみやすいのです。しょっぱいものを食べた後はのどが渇くのは、食塩を摂取して血液の浸透圧が高くなったのをセンサーが感知して、渇きを感じさせ、水分摂取をうながすメカニズムによるのです。

  1. 水分過多にならないためには、カリウムを多く含む果物の摂取を心がけてください。
  2. カリウムにはナトリウムを排泄させる働きがあります。
  3. ダイエットを気にして糖分が多いといわれる果物を食べない人もいますが、これではビタミンCの欠乏につながります。
  4. ビタミンCは、みずからが酸化されることにより、ビタミンEに抗酸化作用を発揮させます。
  5. ビタミンは脂に溶けるものと水に溶けるものがあり、水に溶けるものは常に補給しないと欠乏します。
  6. ビタミンB2、B6、Cなどは水溶性ビタミンで、これらが不足すると肌荒れやニキビの原因になったりします」

■食べれば体力回復!というわけでもない

夏バテ対策として“豚肉を食べて白いご飯を食べる!”というのは、消化のいい白米とビタミンB1が豊富な豚肉で健康的な印象もありますが、非常に消化の良い白米は、体重増加につながりやすいというデータもあります。

特に、肥満傾向の方の場合、体が重いことでだるくなっている面があるにもかかわらず、さらに“夏バテしているから食べる!”となってしまうことも…これでは悪いサイクルにはまるばかりです。

健康体の状態でも、白米やうどん、ラーメンなどの炭水化物の過剰摂取を続けると、肥満につながりますので、気をつけたいところです。消化吸収の早い炭水化物は、血糖値の急激な上昇をまねき、メタボリック症候群や糖尿病につながります。

ただし、白米やうどんは、消化が大変よいので、食欲が全然なくなり、胃腸が弱って、栄養不足になっているときには、白米をさらにおもゆやおかゆにして


■漢方薬を効果的に使いたい

「漢方薬というと、長く飲み続けないと効果が出ないと思っている人もいるかもしれません。でも実は、飲んで15分後くらいから効き目が表れるものもあります。たとえば、冷房に当たりすぎて体が冷えて、腰が痛むときに当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を、肩が凝ったときに葛根湯を飲んでいただくと、15分くらいで効き目が感じられるでしょう。いずれも身体を温める効果があるので、症状が緩和されます。

夏バテには、補中益気湯がいいですね。朝鮮人参を含みますが、これはしょうがなどともに身体を温める成分になります。柴胡(さいこ) も成分にありますが、これは免疫や自律神経、胃腸の機能を調整する薬。体力虚弱で元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすい人向けとされています。イメージとしては、食欲が落ちて、お通じがゆるめで、疲れて微熱が出るような症状にいいでしょう。

もうひとつは清暑益気湯(せいしょえっきとう)。補中益気湯の変方で、夏まけ・夏やせなど、暑気あたりや暑さによる食欲不振、それからやはり下痢、全身倦怠などの症状がある方に用いる漢方です」

なんとなくダルい…の症状を放っておくのではなく、しっかり解消して免疫を維持し、病気にかかりにくい体作りをし、快適に過ごしたいものだ。


■夏バテと体型・年収は ?

夏バテ予防策として6割以上の人が少なからず食事を考えており、女性の方が男性より夏バテ予防食材への意識が高い。また世帯年収が高い女性は「ショウガ」を積極的にとる傾向がみられた。

夏バテ予防として積極的に食べている食材としては(複数回答)、女性では首位が「ショウガ」、2位が「酢」、3位が「梅」であるのに対し、男性は「ウナギ」「納豆」「豆腐」の順だった。

世帯年収別に夏バテ予防を意識して摂る食材の割合をみたところ、女性は世帯年収400万以上で他の食材より「ショウガ」を積極的に食べている。

  1. 400万円以上600万円未満では6.4%
  2. 600万円以上800万円未満では7.1%
  3. 800万円以上1000万円未満では7.6%
  4. 1000万円以上では7.9%

夏バテ予防の食材について「特になにも考えていない」と回答した女性はいずれの層も10%を下回り、800万円以上では8%を下回った。

一方男性は、年収1000万以上で「ウナギ」率(8.3%)が高くなった。また800万円未満の層では「特になにも考えていない」とする割合が10%以上だった。

  1. 「太っている」人の場合、「夏バテする」「やや夏バテする」の合計が女性では56.7%、男性では41.3%。
  2. 「やや太っている」人は女性が58.0%、男性が41.3%だった。

女性は「ふつう」「やや痩せている」「痩せている」人ほどその割合は低下し、一方「あまり夏バテしない」とう割合が増加する。男性も「ふつう」「やや痩せている」「痩せている」体型の人は「あまり夏バテしない」率が太っている人より高いものの、「痩せている」人は夏バテする割合も47.1%と多い。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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妊婦への鉄・葉酸補充で小児の知能と運動能力が向上

鉄摂取の少ないネパールの妊婦を対象にした無作為化試験

食事からの鉄摂取が少ないネパールで、妊婦に妊娠初期から出産3カ月後まで鉄・葉酸サプリメントを投与したところ、生まれた子供が学齢期になった時点の知能や運動能力は、偽薬群を投与された妊婦の子供に比べて有意に高かった。そんな無作為化試験の追跡結果を、米公衆衛生大学院のChristian氏らが、JAMA誌2010年12月22/29日号に報告した。

鉄と亜鉛は知能と運動能力の発達に必要と考えられているが、胎児の中枢神経系の発達において極めて重要な時期に鉄と亜鉛を妊婦に投与し、子供の能力に長期的な影響が表れるかどうかを調べた研究はほとんどなかった。

研究者たちは、妊婦に対する微量栄養素の補充が出生児の知能と運動能力に及ぼす影響を調べるために、1999~2001年にネパールの農村部で行われた研究に参加した妊婦の子供たちを追跡した。

この二重盲検の無作為化試験は、妊婦に微量栄養素または偽薬を投与したもので、今回分析対象となったのは、以下の4群のいずれかに割り付けられ、妊娠初期から出産3カ月後まで投与されていた妊婦の子供たちだ:(1)鉄(60mg)と葉酸(400μg)、(2)鉄と葉酸と亜鉛(30mg)、(3)マルチ微量栄養素(鉄、葉酸、亜鉛に加えてビタミンD、E、B1、B2、B6、B12、C、K、ナイアシン、銅、マグネシウム)、(4)偽薬。ビタミンA(レチノール当量1000μg)はどのグループの妊婦にも投与された。

07年6月から09年4月に7歳から9歳になっていた小児の中から、条件を満たした676人(平均年齢は8.4歳、鉄・葉酸群103人、鉄・葉酸・亜鉛群178人、マルチ微量栄養素群218人、偽薬群177人)を選んだ。これらの小児は、出生後、01~05年に同国で行われた幼児期の鉄と亜鉛のいずれかまたは両方の補充に関する試験に登録されたが、偽薬群に割り付けられていた。半年ごとのビタミンA投与はすべての小児に行われていた。

主要アウトカム評価指標は、下記の指標を用いて評価した知能、実行機能、運動能力とした。用いられた検査は、非言語的知能テスト(UNIT;シンボリックメモリー、キューブデザイン、空間記憶、類比的推論、対象記憶、迷路からなるが、今回は文化的に適さない類比的推論のテストを除外)、実行機能を調べるgo/no-goテスト、ストループテスト、数字列逆唱、運動能力を調べる小児運動アセスメントバッテリー(MABC)、フィンガータッピング検査。

それぞれのテストのスコアを偽薬群と比較したところ、鉄・葉酸補充群の優越性が示された。

UNIT Tスコア(高いほど能力は高い)の平均は、鉄・葉酸群が51.7(SDは8.5)、偽薬群は48.2(SDは10.2)で、年齢、性別、就学の有無、資産状況、食物摂取の内容、下気道感染や下痢などの病気を抱えているかどうかで調整した平均差は2.38(95%信頼区間0.06-4.70、P=0.04)となった。

偽薬群と他の微量栄養素補充群のUNIT Tスコアには差は見られなかった。鉄・葉酸・亜鉛群では平均差は0.73(-0.95から2.42、P=0.39)、マルチ微量栄養素群は平均差1.00(-0.55から2.56、P=0.20)。

実行機能のテストでは、ストループテストのスコア(低いほど能力は高い)において鉄・葉酸群の方が偽薬群より良好だった。調整平均差は-0.14(-0.23から-0.04、P=0.006)。数字列逆唱(高いほど能力が高い)も0.36(0.01-0.71、P=0.02)で差は有意だった。一方、go/no-goテストの結果には差は見られなかった(-0.54、7.44から6.35、P=0.88)。

運動能力を示すMABCスコア(低いほど能力は高い)は、鉄・葉酸群の方が偽薬群より良好だったが、交絡因子で調整すると差は有意でなくなった。平均差は-1.47(-3.06から0.12、P=0.07)。フィンガータッピングテストのスコアは鉄・葉酸群で有意に高かった。平均差は2.05(0.87-3.24、P=0.001)。

ネパールでは妊婦の鉄不足と貧血が広く見られる。そうした妊婦への鉄・葉酸補充を行うと、出生児の作業記憶や抑制制御、微細運動能力などの発達が促されることが示された。著者らは、さらに追跡を続けて今回見られた利益が成人になるまで持続するかどうかを調べる必要があると述べている。なお、鉄・葉酸には利益があり、それらに亜鉛を加えると、また、他の微量栄養素を加えると利益が見られなくなる理由は、現段階では不明だ。鉄と亜鉛を同時に投与すると亜鉛が鉄の吸収を妨げる可能性を示した研究がいくつかあることから、著者らは、亜鉛の影響を予想している。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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カルシウムサプリで心筋梗塞リスクが1.3倍に

骨粗鬆症の予防や治療を目的としてカルシウムサプリメントを使用する高齢者は少なくない。しかし、ニュージーランドAuckland大学のMark J Bolland氏らが行った無作為化試験のメタ分析で、カルシウムの投与が中高年者の心筋梗塞リスクを1.3倍に高めることが明らかになった。論文は、BMJ誌2010年8月7日号に報告された。

多くのガイドラインが、骨粗鬆症の予防または治療に欠かせないものの1つにカルシウムの適切な摂取を挙げている。既に、50歳以上の人々の間で、カルシウムサプリメントは広く利用されている。カルシウムサプリメントの利益は予想しやすいが、リスクには注意が払われていない。

カルシウム摂取が血管の石灰化を促進し、心筋梗塞や心血管イベントのリスクを高めると報告した研究もあることから、著者らは、カルシウムサプリメントの投与が心血管イベントリスクを高めるかどうかを調べるメタ分析を行った。

Medline、Embase、コクランセントラル比較臨床試験登録などに2010年3月までに登録された研究の中から、以下の条件を満たすものを選んだ。無作為化試験で、カルシウムサプリメント(500mg/日以上)または偽薬を100人以上の成人(40歳超)に1年以上投与した研究。介入群にビタミンDとカルシウムを、対照群には偽薬のみを適用した研究は除外し、介入群にビタミンDとカルシウム、対照群にはビタミンDのみ投与した研究は組み込み可能とした。

15件が条件を満たしたが、4件は心血管アウトカムに関するデータを報告していなかった。残りの11件中5件については、登録された個々の患者の情報(計8151人、追跡期間の中央値は3.6年、四分位範囲は2.7~4.3年)を入手できた。6件からは、臨床試験レベルのデータが得られた(3770人、追跡期間は3.8年)。

主要エンドポイントは、初回心筋梗塞、初回脳卒中、心筋梗塞/脳卒中/突然死を合わせた複合イベントに、2次エンドポイントは全死因死亡に設定した。

最初に、患者レベルのデータを提示していた5件の研究を対象に分析した。心筋梗塞を経験したのは、カルシウムに割り付けられていた143人と偽薬群の111人。偽薬群と比較したカルシウム群の心筋梗塞のハザード比は1.31となった。

有意ではないが、脳卒中の罹患率にも上昇傾向が見られた。同様に、複合イベントのリスク、全死因死亡のリスクも上昇傾向を示した。


■ビタミンD欠乏の高齢者は認知機能低下が早い

ビタミンDが欠乏している高齢者は、ビタミンDが充足した高齢者に比べて認知機能の低下が有意に早いことが、英Exeter大学のDavid J. Llewellyn氏らの研究で明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌2010年7月12日号に掲載された。

米国と欧州に住む高齢者にはビタミンD不足例が多く見られており、市中在住の高齢者の40~100%がビタミンD欠乏状態だとの報告もある。

ビタミンDは骨折や様々な慢性疾患に関係することが知られている。しかし、認知機能の低下とビタミンDの関係を調べた前向き研究はこれまでなかった。

著者らは、血清25ヒドロキシビタミンD低値が認知機能の低下と関係しているかどうかを調べるために、集団ベースのInCHIANTI試験に登録された患者を分析した。

InCHIANTI試験は、老後の障害に関係する危険因子を同定する目的で、イタリアで計1154人を登録、98年から06年まで追跡した。今回は、3年ごとの認知機能の評価を1回以上受けていた858人を分析対象とした。

認知機能は、MMSE、Trail-Making Test(TMT)AとBを用いて、ベースラインと3年後、6年後に評価。MMSEにおいて3ポイント以上低下した場合を認知機能低下と判定した。TMT-AとTMT-Bでは、試験終了までに要した時間が長いほど認知機能が低いと判定されるが、ベースラインと比較した所要時間の延長幅が大きい方から10%に分類された高齢者、または、試験を終了できなかった人々を認知機能低下と判定した。

血清ビタミンD値に基づいて対象者を以下の4群に分けた。重症のビタミンD欠乏症(25nmol/L未満)、ビタミンD欠乏症(25nmol/L以上50nmol/L未満)、ビタミンD不十分(50nnom/L以上75nmol/L未満)、ビタミンD充足(75nmol/L以上)。

ベースラインの認知機能検査では、その時点の血清ビタミンD値が低いほど認知機能が低いことが示唆された。

追跡期間中にMMSEにより認知機能低下と判定された高齢者は290人、TMT-Aにより認知機能低下と判定された人は165人、TMT-Bでは275人だった。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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変形性腰椎症の腰痛患者にグルコサミンは効果なし

慢性腰痛で変形性腰椎症の患者を対象に、グルコサミンの影響を調べた初めての大規模かつ長期的な無作為化試験の結果が発表された。グルコサミンは、これらの患者の疼痛関連の機能障害や痛みの強さ、QOLの改善に効果がなかった。ノルウェーOslo大学病院のPhilip Wilkens氏らが、JAMA誌2010年7月7日号に報告した。

変形性腰椎症がある慢性腰痛患者がグルコサミンを服用する頻度は高まっているにもかかわらず、その有効性を調べた質の高い研究はほとんどなかった。そこで著者らは、グルコサミンが処方薬としてのみ用いられているノルウェーで、二重盲検の無作為化試験を行った。

06年12月から08年7月までにOslo大学病院の外来を受診した、25歳以上の非特異的腰痛患者の中から、痛みが6カ月超持続しており、MRIにより変形性腰椎症と診断され、ノルウェー版Roland-Morris障害質問票(RMDQ、0~24で表しスコアが高いほど障害は深刻)のスコアが3以上だった250人を登録した。無作為に1500mg/日のグルコサミン(125人、平均年齢47.5歳)または偽薬(125人、49.4歳)に割り付け、6カ月間経口投与し、治療完了から6カ月後まで追跡した。投与終了以降は患者が希望する治療を実施した。

主要アウトカム評価指標は6カ月後と12カ月後の疼痛関連の機能障害とし、RMDQを用いて評価した。2次アウトカム評価指標は、安静時と活動時の腰と脚の痛みの強さとし、Numerical Rating Scale(NRS 、「0=痛みなし」から「10=最悪の痛み」までの11ポイントで表す)により評価。EuroQol-5 Dimensions(EQ-5D)を用いて健康関連QOL も評価した。分析はintention-to-treatで行った。

患者が割り付け薬以外に使用していた腰痛のための治療は、鎮痛薬、カイロプラクティック、理学療法、マッサージなど。治療中とその後6カ月間に、両群においてこれらを利用していた患者の割合には差はなかった。

ベースラインのRMDQの平均値は、介入群9.2(95%信頼区間8.4-10.0)、対照群9.7(8.9-10.5)(P=0.37)。6カ月時のRMDQスコアの平均はどちらのグループも全く同じで、5.0(4.2-5.8)(P=0.72)。12カ月後は介入群4.8(3.9-5.6)、対照群5.5(4.7-6.4)(P=0.50)で、常に有意差なしという結果になった。

NRSの比較においても、安静時の腰痛(6カ月時のP=0.91、12カ月時のP=0.85)、安静時の脚痛(6カ月時のP=0.59、12カ月時のP=0.93)、活動時の腰痛(6カ月時のP=0.97、12カ月時のP=0.90)、活動時の脚痛(6カ月時のP=0.61、12カ月時のP=0.95)の全てにおいて有意差はなかった。

EQ-5Dについても同様で、全ての評価時点で両群間に差は見られなかった。

加えて、各評価指標において臨床的に意義のある最低限の改善(RMDQではスコアが3ポイント低下、NRSでは2ポイント低下など)を示した患者の割合を比較したが、どの時点、どの指標においても両群間に有意な差は見られなかった。

なお、割り付けられた薬剤以外に鎮痛薬や理学療法などを利用した患者と、全く利用しなかった患者の改善レベルに差は見られなかった。

治療関連の重症有害事象は見られなかった。軽症の有害事象はグルコサミン群40人、偽薬群46人に認められた(P=0.48)。両群共に多く見られたのは消化器症状と皮膚症状だった。

グルコサミンには、偽薬に優る効果はないことが明らかになった。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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肥満症の診断基準が11年ぶり改訂

日本肥満学会(中尾一和理事長)は「肥満症の診断基準」を11年ぶりに改訂する。2000年以降のエビデンスなどを基に検討した結果、日本における肥満症の定義である「BMI≧25」、スクリーニング検査の指標としてのウエスト周囲長「男性85cm、女性90cm」といった、ベースとなる数値は不変(図1、2)。改訂は肥満の合併症や用語の統一などに止まった。9月23~24日に兵庫県淡路市で開催した第32回大会で発表した。

図1 内臓脂肪型肥満の判定基準(BMI≧25の場合、2011年版肥満症診断基準より)

日本肥満学会は2000年に「肥満の判定と肥満症の診断基準」を発表し、WHOにおける肥満の基準「BMI≧30」を踏み越え、日本人の肥満を「BMI≧25」と設定した。合わせて、腹部CTによる内臓脂肪面積100cm2を基準にしてハイリスクの内臓脂肪型肥満も定義した。今回の改訂は、それ以降のエビデンスや臨床現場での課題に照らして基準値の妥当性を検証したもので、肥満症診断の根幹の部分については、10年の時を経ても妥当であるという結論に達した。


■2000年版診断基準からの主な改訂点は以下の通り。

  1. 「治療すべき高度肥満」の診断について記述を追加
  2. 肥満に起因ないしは関連する健康障害として「肥満関連腎臓病」を追加
  3. 肥満と各種合併症の関連ならびに減量の効果について詳述
  4. 肥満に関連する健康障害から「子宮筋腫」と「前立腺癌」を削除
  5. 「ウエスト周囲径」という用語を「ウエスト周囲長」に改めた
  6. 原発性肥満と単純性肥満を「原発性肥満」に統一
  7. 二次性肥満と症候性肥満を「二次性肥満」に統一
  8. 標準体重と理想体重を「標準体重」に統一
  9. (2006年の肥満症治療ガイドラインで設定した)質的肥満と量的肥満の明確な区分を廃した

■日本オリジナルのコホート研究で、「BMI<25、内臓脂肪蓄積」のリスクを探る

学会の今後の活動方針をまとめた宣言は4項目から成り、1つ目に挙げたのはアジアの肥満および生活習慣病研究における指導的な役割を果たすことだ。BMI≧30の肥満者が30%を超えるような欧米諸国に対し、日本は3.6%で、韓国や中国などアジア諸国も割合はほぼ同様。肥満のプロファイルの大きな違いから、アジア独自の研究を発展させる必要性を中尾氏は強調した。

そのため、宣言の2つ目には日本肥満学会が主導する日本人の肥満の全国的なコホート研究、3つ目には今後の増加が危惧されている小児肥満のコホート研究の立案と実行を掲げた。

コホート研究の立ち上げで特に重要な課題となるのが、肥満症の定義からは外れる「BMI<25、内臓脂肪蓄積」のリスクの検証。日本人あるいはアジア人に特徴的なこの集団についてはエビデンスが少なく、今回の診断基準の改訂にも反映されていない。コホート研究のデザインについては本大会のシンポジウムでも検討され、「できるだけ早く固めて実践に移したい」(中尾氏)としている。

宣言の4つ目は肥満症専門医と生活習慣病改善指導士の認定制度の創設。ともに2012年度から認定を始める予定だ。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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ビタミンE、Cは中高年男性の癌リスクも下げない

癌をはじめとする慢性疾患の予防に役立つのではないか、と期待してビタミンを摂取している人が少なからず存在する。ビタミンEとCについては、米国人の半数が服用しているという。

しかし近年、これらビタミンの健康への利益を否定する結果が相次いで報告されている。米Brigham and Women's HospitalのJ. Michael Gaziano氏らが行った大規模無作為化試験でも、ビタミンE、Cを長期にわたって服用しても、前立腺癌、あらゆる癌のリスクは低減しないことが示された。詳細は、JAMA誌電子版に2008年12月9日に報告された。

抗酸化作用を持つビタミンEやCは癌予防に役立つはず、といった希望的観測を、一部の観察研究の結果が支持してきた。これを確認するために無作為化試験が複数行われたが、一貫した結果は得られておらず、ビタミンと癌罹患の関係を扱うための十分なパワーを持った試験はほとんどなかった。

βカロテンについては、2003年に利益なしという結果が報告されており、マルチビタミンについては、データ安全性監視委員会の勧告に基づいて現在も試験が続いている。

ビタミンEとCに関する試験は1997年に開始され、2007年8月31日に治療と追跡が終了した。

3656人がビタミンE+ビタミンCに、3656人がビタミンE+ビタミンCの偽薬に、3673人がビタミンEの偽薬+ビタミンCに、3653人がビタミンEの偽薬+ビタミンCの偽薬に割り付けられた。

主要アウトカム評価指標は、前立腺癌とあらゆる癌(メラノーマ以外の皮膚癌を除く)に設定された。

平均追跡期間は8年(中央値7.6年)、11万7711人-年の追跡となった。

ビタミンEは前立腺癌リスクに影響を与えていなかった。1000人-年当たりの罹患率はビタミンE群が9.1、偽薬群が9.5、ハザード比は0.97と有意差はなかった。

あらゆる癌も同様で、罹患率は17.8と17.3、ハザード比は1.04と有意差はなかった。

癌の部位ごとにビタミンEの影響を評価したが、大腸癌、肺癌、膀胱癌、膵臓癌といずれも差は認められなかった。

ビタミンEは総死亡またはがん死亡にも影響を与えていなかった。

ベースラインの癌既往、前立腺癌危険因子、この試験で用いられた他の試験薬の影響などについても検討したが、ビタミンEは癌を予防しないという結果が維持された。癌予防効果が表面化するまでには長期にわたる服用が必要という仮説もあるが、今回の集団では、投与開始から4年後、6年後のいずれにおいてもビタミンEの利益は認められなかった。

一方、ビタミンCに関する分析も、すべてにおいて有意な影響を示さなかった。1000人-年当たりの前立腺癌罹患率は、ビタミンC群が9.4、偽薬群が9.2で、ハザード比は1.02。あらゆる癌についても17.6と17.5で、ハザード比は1.01となった。

癌の部位ごとにビタミンCの影響を評価したが、大腸癌、肺癌、膀胱癌、膵臓癌とすべて差は有意でなかった。

総死亡、癌死亡ついても利益は認められなかった。

ビタミンEの場合と同様に、ベースラインの癌既往、前立腺癌危険因子、この試験で用いられた他の試験薬の影響などについても検討したが、ビタミンCの利益が認められたグループはなく、投与期間が4年でも6年でも結果に影響は見られなかった。

なお、ビタミンEとビタミンCの両方を投与されたグループでも、あらゆる癌、前立腺癌、大腸癌、肺癌のリスク低減は認められなかった。

著者らは、癌予防を目的とする中高年男性へのビタミンEとCの投与は支持されないと結論。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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セレンとビタミンEは男性の前立腺癌を予防しない

健康な男性がセレン(セレニウム)とビタミンEを摂取しても、前立腺癌やその他の癌の予防には役立たない。そんな結果が、米Texas大学M.D.Anderson癌センターのScott M. Lippman氏らが行った大規模臨床試験で導き出された。詳細は、JAMA誌電子版に2008年12月9日に報告された。

これまで、2件の無作為化試験(NPCスタディとATBCスタディ)や疫学研究、前臨床研究によって、セレンとビタミンEの前立腺癌予防効果が示唆されていた。

そこで著者らは、この効果を確認するために、大規模無作為化二重盲検試験Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial(SELECT)を2001年7月に開始した。

米国、カナダ、プエルトリコの427施設で3万5533人を登録。組み込み条件は、アフリカ系米国人男性は50歳以上、その他の人種の男性は55歳以上で、前立腺癌の既往がなく、血清PSA値は4ng/mL以下、直腸指診により前立腺癌の疑いなしと判定された人々とした。

これらの男性を、(1)ビタミンE(400 IU/日)+セレンの偽薬(8904人、年齢の中央値は62.3歳)、(2)セレン(L-セレノメチオニン200μg/日)+ビタミンEの偽薬(8910人、62.6歳)(3)セレン+ビタミンE(8863人、62.4歳)、(4)セレンの偽薬+ビタミンEの偽薬(8856人、62.6歳)――の4群に割り付けた。割り付けられた薬剤を1回以上使用した男性はそれぞれ8737人、8752人、8703人、8696人だった。これらの人々が分析対象となった。


■主要アウトカム評価指標は前立腺癌に設定された

追跡は最低7年、最高12年を予定していた。しかし、データ安全性監視委員会が2008年8月1日の時点のデータを対象に第2回中間解析を行った結果、試験薬に効果が認められず、追跡を継続しても想定していたレベルの利益(25%のリスク減少)が得られる可能性はないとして、試験の中止を勧告。2008年10月23日に試験は中止された。

中止時点で追跡期間の中央値は5.46年だった。

服薬遵守率はどの割り付け群でも同様で、1年時は83%、5年時には65%だった。

前立腺癌罹者数は、偽薬群416人、ビタミンE群473人、セレン群432人、ビタミンE+セレン群は437人。偽薬群を対照とした前立腺癌罹患のハザード比は、ビタミンEが1.13(99%信頼区間0.95-1.35、p=0.06)、セレンが1.04(0.87-1.24、p=0.62)、ビタミンE+セレンが1.05(0.88-1.25、p=0.52)だった。

統計学的に有意ではないものの、ビタミンE群では前立腺癌リスクの上昇傾向が、セレン群では新規発症2型糖尿病リスクの上昇傾向が認められた。ビタミンE+セレン群にはこうした傾向は見られなかった。

あらかじめ設定された2次エンドポイント、肺癌、大腸癌、ほかのすべての原発癌、死亡についても有意差は見られなかった。心血管イベントリスクに対する影響も認められなかった。

得られた結果は、一般に用いられている用量のセレンまたはビタミンEは、健康な男性の前立腺癌を予防しないことを明白に示した。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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どこまで可能? 漢方ダイエット

西洋医学的なアプローチで十分な治療効果を得られないとき、漢方薬を使うとよい場合があります。現役外科医の新見正則氏が、“食わず嫌い”の医師向けに漢方の魅力とプライマリケアの現場で役立つポイントを紹介します。

近年、OTC薬で減量をうたうものが増えています。「飲むだけでやせる漢方薬がほしい」と外来を訪れる患者さんも少なくありません。そんな患者さんに対して私が返すのは、「そんな都合の良い漢方薬はないよ」という言葉。「何でも食べたい、飲みたい、食事制限はしたくない、運動もしたくない。でもやせたい」などということはしょせん無理なのです。


■漢方薬がダイエットに効果がないというわけではありません。

食生活を制限し、適度の運動を行った上でのことですが、適切な漢方薬を加えることで、せきを切ったようにやせることがあります。

患者の「まず、何をすればいいのですか」という問いに対し、僕はまず、○○カ月ダイエットといったものは全くダメなこと。やせる努力は一生続ける必要があり、期限を区切ったダイエットはその後必ずリバウンドすることを説明しました。

また、運動だけではやせないことも伝えました。通常は、早足の散歩を1時間行ってやっと150~200Kcalの消費です。一方、食事であれば150Kcalはおにぎり1個、食パン1枚ですから、明らかなことでしょう。

食事量を実際に1/3減らせれば1日あたり約600Kcalのマイナスになります。それに相当する運動は、早足の散歩で3時間、時速9kmのランニングで1時間です。食事制限の方が簡単ですね。

結果、この患者さんは2年間で、105kgから68kgまでの減量に成功しました。減量だけでなく、脂質代謝異常や高血圧も改善しています。今では、僕が「一生続けるのだから、あんまりストイックになるのは楽しくないですよ」と諭しているほどです。

大柴胡湯(だいさいことう)と桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の組み合わせは、比較的がっちりした、実証タイプの人により効果があります。大柴胡湯は柴胡(さいこ)、半夏(はんげ)、生姜(しょうきょう)、黄ごん、芍薬(しゃくやく)、大棗(たいそう)、枳実(きじつ)、大黄(だいおう)を組み合わせた処方で、消化器の症状や高血圧に伴うさまざまな症状などに適応があります。

また桂枝茯苓丸は、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、茯苓(ぶくりょう)、桃仁(おうじん)、牡丹皮(ぼたんぴ)を組み合わせた、前回解説した「お血」を改善する薬です。特にホルモンバランスを整えて血液の循環を良くする効果があり、女性の生理不順などに効果があります。


■大柴胡湯でやせるメカニズムは不明

大柴胡湯になぜ減量の効果があるかは不明です。漢方の経験知なのですね。同じく、減量薬としてむしろ有名で、多く売られている防風通聖散も減量メカニズムは不明です。過去の経験の英知ということで腑に落としてください。それが漢方ですから。

大柴胡湯と桂枝茯苓丸の組み合わせは、別に女性にのみ効果があるわけではありません。実は僕自身がこれらを飲み続けることで、5年間で90kgから72kgまで減量しましたし、私が相談を受けた、あるお笑いの男性の方もこの処方でやせています。そのほかにも多くの患者さんがやせられました。

ダイエットに有効な漢方薬として、ほかには防風通聖散などが知られています。また、虚証の人は、間食を止めるだけでも体がだるくなる場合があります。その際は、補中益気湯を追加で処方して、やせるための気力を補います。

こう紹介すると、大柴胡湯と桂枝茯苓丸の組み合わせが、あたかも夢の処方のように思われるかもしれませんが、あくまでこの処方の効果は「食事制限を頑張れるかどうか」にあります。「必要な量以上を食事や飲み物で摂取しないで、漢方を飲むとやせる」だけなのです。そしてその努力は、どれだけ医師が正面から患者さんに向き合えているか、ということにもよるのではないでしょうか。

日経メディカル オンライン記事の抜粋による

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