◆高血圧の基準高血圧とは、日を変えて2回以上測定した血圧の平均値が、正常血圧を上回っている場合をいいます。一般的に最高血圧が140~160mmHg、最低血圧が90~95mmHgを境界域高血圧。最高血圧が160mmHg以上最低血圧が95mmHg以上を高血圧としています。
◆あなたの高血圧度チェック正しい方法で計ることが大切!
特に毎日、朝起きて30分から1時間に計り、比較してみる。一日のうちで、朝が一番高い数値がでます。
最高血圧135、最低血圧85以上の場合、恐ろしい隠れ高血圧の疑いがあります。
◇原因がはっきりしている →二次性高血圧(腎臓疾患やホルモン異常、妊娠中毒などで起こる)
◇原因がはっきりしない→本態性高血圧(遺伝因子と環境因子が絡み合って発症する)日本人の場合、90%は本態性高血圧です
◇高血圧で血管に圧力がかかり続けると弾力がなくなりボロボロになってくる⇒これが動脈硬化です
◇脳卒中、心不全、心筋梗塞、腎不全などを引起こす原因になるので生活習慣の改善で早めの予防を
塩分を摂りすぎると血管壁の細胞中にナトリウムが増え、塩分濃度を薄めるために細胞内に水分が集まり、細胞は膨張し血管の壁が厚くなります。その結果、血液が流れにくくなるので、血液を送り出す圧力(血圧)を 上昇させ、心臓の負担も増えます
◇ストレス・・・・・精神的な緊張やストレスを感じると血圧は上昇します
◇塩分の摂りすぎ・・食塩に含まれるナトリウムが血圧を上昇させる働きがあります
◇肥満・・・・・・・動脈硬化を促進させ高血圧につながります
◇過度の飲酒・・・・血中の中性脂肪、コレステロールが増え、動脈硬化に直結します
◇喫煙・・・・・・・たばこは、血管を収縮させ、ビタミンCも破壊し、動脈硬化を進めます
◇コーヒー・紅茶・・長期的なカフェインの摂りすぎは血中の中性脂肪を増やします
◇コーラ・ジュース類・・・糖分の摂り過ぎにつながり、血中の中性脂肪を増やします
◇段階的に減塩を進める・・・・ 3ヵ月くらいの時間をかけ、徐々に減らしていくことが成功のこつです
◇塩分以外の調味を工夫・・・・ かんきつ類、ショウガ、シソなどの香味野菜、香辛料やハーブなどで味にアクセントを
◇外食も上手に利用する ・・・・丼ものより定食を、みそ汁や漬物は残す、しょうゆなどをかけないで食べる、そばやラーメンのつゆは残す
◇血圧を下げる効果のある食品を活用する・・・カリウム、カルシウム、マグネシウム
◇新鮮な食材と旬の材料を選ぶ
高血圧の予防でまずしなければならないのは、動脈硬化をなくすということです。動脈硬化は高血圧の大きな原因の一つですので、この動脈硬化をまず改善する必要があります
血液中のナトリウムが増えると血管壁が膨らみ血流が悪くなり、圧力が高まり高血圧を招きます
コレステロールが多く、血管が詰まりやすくなり、動脈硬化を招きます
食物繊維 → 老廃物や余分な脂肪を排出する働きがあります
カリウム → 血液中の塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります
抗酸化物 → 悪玉コレステロールが酸化して血管に溜まるのを防ぐ働きがあります
たんぱく質 → 細胞や体の機能を調節するホルモンなどの材料になる(血管も細胞でできている)
カルシウム → 骨の主成分となる他に、血圧を調整する働きもあります
(タウリン・不飽和脂肪酸・ミネラルが豊富)血液をサラサラにする働きがあります
大豆イソフラボン → 血管を拡げ詰まるのを防ぐ、コレステロールを下げる、がんを抑制するなどの働き
大豆たんぱく質 → 血管を丈夫にし、動脈硬化の予防にも効果があります
血圧は普通、医師などにより病院や健康診断の場で測定されます。これを随時血圧といい、高血圧治療の基本的なデータになります。高血圧の基準も、随時血圧から導かれた数字です。
しかし、血圧が条件によって変動することは、よく知られています。現在では、随時血圧よりも、ストレスの少ない状態で測られた家庭血圧の方が信頼度が高いという考え方が普及してきました。家庭血圧を治療に活かす医師が増えてきたようです。
家庭血圧計は、からだのどの部分で測定するかによって、上腕型、手首型、指型の3種類に分けられますが、お勧めは上腕型です。このタイプは精度もよく、安定した血圧値が得られます。
長期間にわたって血圧の経過を知ることが家庭血圧を測る目的なので、負担にならず、一定条件で測れることを重視します。
1. 測定時刻を決めます。夕食前か就寝前がよく、帰宅が不規則な人は朝の出勤前などを利用します。家庭血圧は最初、高く出ることがあるので、3回繰り返し測定し、最初の値を除いた平均値をとります。 多少の上下に一喜一憂しないことが大切です。
2. 血圧値は必ず記録し、次回の診察時に見せるようにします。
自己測定を始める前に、病院の血圧計との誤差を確認しておくといいでしょう。
血圧が高いと、脳の血管壁も傷つきやすくなります。そこに、血栓(血の塊)や微小動脈瘤ができ、血管を詰まらせたり、瘤の中の弱い壁が破裂して出血したりします。
高血圧症になると、脳血管が壊死する脳出血をはじめ、いわゆる脳軟化である脳梗塞・脳底部の動脈瘤の病気、くも膜下出血などを引き起こしやすくなります。脳卒中の側からみると、高血圧は最大の危険因子です。
◇脳梗塞⇒血管が詰まり、その先に血液がいかなくなる病気
◇脳出血⇒血管が破れて出血する病気
◇栄養不足の時代には、脳出血が頻繁に見られましたが、現代の日本人では、高血圧や高脂血症を背景に脳の小さな血管に梗塞が起こり、痴ほうが発生するケースが増えています
末梢血管の抵抗が大きいと、心臓は身体のまで血液を送り出そうとして、収縮力を強めます。心臓の負担が増えるため、やがて心筋が肥大してきます。この状態が続いて心臓が耐えきれなくなると、心不全に陥ります。
また、心臓に酵素と栄養を送っている冠動脈が動脈硬化のために十分な血流を確保できなくなると、狭心症や心筋梗塞などの危険な病気を起こしやすくなります。
心臓は表面を取り巻く冠状動脈から血液の供給を受けて働いていますが、高血圧などで血流が悪くなると十分な血液が供給されなくなり、働きが鈍ります ⇒ この状態が虚血性心疾患です
◇虚血性心疾患には狭心症と心筋こうそくとがあり、いずれもその発生に高血圧が大きく絡んでいます
◇高血圧の状態でいること自体が心臓の機能に過重な負担をかけ、心不全が起こる危険性もあります
腎臓は大量の血液を受け取っているため、血圧とは深い関係があります。
1. 高血圧は腎臓病を引き起こし、逆に腎臓病は高血圧の原因になります。
2. 高血圧が長期化すると腎臓の細い動脈が硬化し、十分な血液を受け取れなくなります。
すると、血液のろ過と再吸収、不要物の排泄を行っているネフロン(腎臓の働きを担う組織)が機能を失って、腎不全へと進みます。細動脈に血栓が詰まって血流が妨げられても、同様の事が起こります。
血管にコレステロールが沈着し、内腔が狭くなった状態です。高血圧は血管の老化をすすめ、動脈硬化をもたらします。
高血圧のため常に動脈に強い圧力がかかると、動脈壁に傷ができ、血液中の脂肪分が浸透し動脈硬化を起こします。動脈硬化が進むと、血管が狭くなり血流が悪くなり、それを改善しようと心臓が拍動を強めます。そのため血圧が上昇します~こうして、更に動脈硬化を進行させ、悪循環をもたらします