血液中に含まれる尿酸という物質が異常に増え、関節や腎臓などに沈着して、激しい痛みを伴う炎症を起こしたり、臓器の働きを悪くするのが痛風です風に当たるだけでも関節が痛むことから、「痛風」と名づけられました。
昔から美食や飲酒、肥満などが原因と考えられ、マケドニアのアレキサンダー大王やフランスのルイ14世など、多数の王侯貴族が痛風だったことから「帝王病」「ぜいたく病」という異名もあります。食糧事情の悪かった時代は「日本には痛風なし」といわれてましたが、食生活の欧米化に伴って患者数が増え、すでに罹患率では欧米を上回っています。
患者数は30万人以上、痛風予備軍といわれる高尿酸血症にいたっては、成人男性の20%といわれます。痛風になる人はほとんどが20歳以上の男性で、とりわけ40~50代の中高年の男性に集中してますが、次第に若年層に広がり、さらに高齢化社会を反映して高齢者の患者も増える傾向にあります。
女性は全体の5%以下と少ないのも、この病気の特徴です。これまで閉経前の女性にはあまりみられなかったのですが、利尿剤を使った誤ったダイエットの結果、若い女性にも痛風が発症しています。
高尿酸血症とは血液中の尿酸値が高くなっている状態で、痛風の原因になります 長年放置しておくと尿酸の結晶が関節などに蓄積して激痛をもたらす痛風になってしまうのです
血液中に「尿酸」という物質が増えてしまうことによって起こります 尿酸は、健康体では液体に溶けた形で存在していますが、過剰に増えると針状の結晶になり、体のいろいろな場所に沈着します~とくに関節などに沈着した場合、激しい痛風発作を起こす病気です
約70%が足の親指のつけ根、それ以外には肘・膝・かかと・くるぶし・足の親指以外の関節などで発作が起こり、 最初の発作では約90%が足の指の関節周辺で起こると言われています
食生活が深く関わっており、男性に多い病気といわれていますある日突然!足の親指の付け根に激痛が。この発作が起こるとたちまち赤く腫れてちょっと動いたでけで、あるいは物音さえも足に響き、更なる激痛がはしるというようにまさに読んで字のごとく「風が当たっただけでも痛い」といわれる病気です
しかし、激しい痛みは一時的なもの(長くても1~2週間)で、何事もなかったかのように痛みが治まってしまうため「治った」と勘違いしてしまうことも多いのですが、発作が治まっても病気が改善されたわけではないのです痛みがなくても症状が進行中ということがあるので、注意が必要です。
◇体内の尿酸合成が多すぎたり、プリン体を含む食べ物を摂り過ぎることが原因
◇尿酸の排泄がうまくいかず、溜まってしまう (日本人はこのタイプが多いようです)
健康な人の場合は常に約1200mgの尿酸が蓄積され、そのうち半分以上の尿酸が毎日入れ替わっている、排泄される尿酸のうち、3/4は尿として、残りは汗や便として排泄される しかし、この排泄が上手くいかなくなるとバランスが崩れ、尿酸が体内にたまってしまう
◇夏は汗を大量にかくため、尿量が減少⇒尿酸が十分に排出されない状態となり秋に痛風発作を起こす
◇これを解消するためには、水分摂取が大切です(尿量が少ないと尿路結石もできやすくなる)
ビールのおいしい季節、つい杯を重ねて、気がつけば食べ過ぎということはないだろうか
食生活を色濃く反映し、痛風などの原因となる血中の尿酸は、発汗などで体内の水分が奪われることでも濃度が上昇する、暑さに向かうこの時期は、体調管理にいっそう気を配りたい
尿酸とは細胞内にある遺伝子の構成成分であるプリン体が代謝され、最終的に残った物質。血液1デシリットル当たりの尿酸が7ミリグラムを超えれば高尿酸血症とし、30~40代の男性に多い
尿酸値が高いと尿酸結晶が関節などにたまって激痛を伴う炎症を起こす痛風が発症する
近年、痛風が急増傾向にあるという。「昭和30年代までは2千人に満たなかった痛風患者は平成16年には87万3千人。現在は100万人といわれます
高尿酸血症はその10倍が見込まれ、成人男性の4・5人に1人の割合。若年化も進み、20代で起こることも珍しくない」
「高尿酸血症は高血圧症、動脈硬化、脳血管障害、狭心症や心筋梗塞などのリスクを増加させ、高脂血症や糖尿病の併発も多く、メタボリックシンドロームの入り口になっている可能性があります」尿酸を作り出すプリン体は、ほぼ全ての食品に含まれる
1. 「痛風や高尿酸血症の場合、食べていけないという食品はありません。腹八分の適量をバランス良く食べることが第一です」
2. 「朝食が取りにくいならヨーグルト一つでもかまいません。まず規則正しく食事する習慣をつけましょう
3. 同じお弁当を買ったり、同じお店で同じ注文を続けないように心がけましょう」
プリン体の1日の摂取量は400ミリグラムまでが望ましく、レバーやイワシ、エビなどは100グラム当たり200~300ミリグラム超と多い。一方、ウナギや豚ロース、野菜やキノコ類、穀物、豆腐、乳製品や海藻、鶏卵などは少ない「レバーよりも赤身、タラコよりもカズノコやチーズとプリン体の少ない食材に選択の幅を広げてほしい」
プリン体の多い食材は控えめとしながらも、栄養バランスの良い食事を心がけたい
運動療法についても「少しだけ階段を使うなど、ごく身近なことから始めましょう」とし、視線を上げるなど良い姿勢を保ち、少し早足で歩くことを推奨する
尿酸値が最も上がりやすい季節という項目には約75%が知らないとし、夏と正答したのは約15%。「真夏のように発汗せず、のどの渇きを覚えない今の季節は脱水傾向になって尿酸値が高まります。その一方、尿酸の排出を抑制するアルコールや糖分の高い炭酸飲料などの摂取が増え、発症の割合が最も高い」と警鐘を鳴らす。
[ 出典 ]2013.5.24 MSN産経ニュース記事の抜粋による
私たちのからだの設計図は遺伝子DNA(デオキシリボ核酸)の上にあります。そのDNAを合成する物質の一つに、プリンヌクレオチドという分子があります。このプリンヌクレオチド(プリン体)は細胞の中の核酸の合成にも関係する物質ですが、代謝しきれなかったものは分解され、尿酸となって主に腎臓から体外に排出されます。この尿酸が体内に異常に増えると痛風が起こります。
尿酸は、1日に700mgほどつくられ、一時体内にプールされます。しかし、その一方で、腎臓から体外へ排泄される作用を受けるため、尿酸は一定量以上にはなりません。この量は通常1,200mgぐらいで、この尿酸を「尿酸プール」といいます。
この尿酸プールが、人によって異常に増えることがあります。この状態を高尿酸血症といいます。高尿酸血症の状態が続くと、尿酸は水に溶けにくいため結晶となって、体内のいろいろな部分にたまってきます。尿酸が関節にたまると痛風発作が起こり、皮膚の下にたまると痛風結節になります。
これは目で見てわかるこぶのような状態で、このとき尿酸プールは正常値の何十倍にもなっています。尿酸が腎臓にたまると腎臓障害を起こします。
高尿酸血症が起こる三つのメカニズム
尿酸が過剰につくられる理由は、プリンヌクレオチド(プリン体)の代謝の仕組みに破錠が生じるかについては、いまだに不明です。大まかにわかっているうちの一つは、遺伝的な誘因から、プリンヌクレオチド(プリン体)の代謝が狂い、痛風を発症するというものです。もう一つは、高エネルギー食やアルコールのとりすぎによる肥満、激しい運動によるものという説です。
これらの要因によって、プリンヌクレオチドが過剰につくられます。過剰なプリンヌクレオチドが尿酸に分離される際、代謝過程で狂いが生じると、尿酸が過剰に生産され、やがて結晶化します。
ただし、尿酸が結晶化するだけでは痛風発作は起こりません。痛風発作に関与するのは白血球です。関節にたまった尿酸の結晶を侵入してきた異物として白血球が食べるので、この部分にたくさんの白血球が集まった結果、大きな炎症となります。激しい痛みや腫れを伴う痛風発作はこうして起こります。
ほとんどの場合、初めに足の親指の付け根の関節に、何の前ぶれもなく激しい痛みや腫れが起こります。痛みの程度は、よく間違われる慢性関節リウマチと異なり、極めて激烈で、「関節の中に溶けた鉛を注ぎ込んだようだ」とか「人がそばを歩くだけでも痛みが走る」などといわれます。また寒気や発熱、ふるえなどを伴う場合もあります。
ただ、このような激烈な発作は放置していても早ければ2~3日、遅くても2週間以内には治まります。ただし、発作が治まっただけで、その原因である高尿酸血症という状態が治ったわけではありません。しかし患者さんは病気が治ったと錯覚して、なんの治療もしない場合があります。するとまた激しい痛みの発作が起こってきます。
このような発作を繰り返していると、痛風の関節炎は、急性から慢性状態へと進みます。尿酸はからだのさまざまな部分に沈着し、あちこちの関節が痛むようになります。それだけでなく、腎臓や心臓、脳など、さまざまな臓器に重大な障害を起こします。
例えば腎臓に疾患があるときには、さらに機能を低下させ、慢性腎炎から腎不全へと悪化させていくことにまります。
これらの臓器では関節のような自覚症状がないことが多く、知らないままに病気が進行して手遅れになりがちです。ここが痛風の怖いところです。
激しい関節の痛みがあった場合、一応痛風が疑われます。しかし、それだけで正確な診断は出来ません。関節炎を起こす病気にはたくさんの原因や種類があり、治療の方法も異なります。また、同じ痛風でも進行度はどの程度なのか、全身症状はどうなのかなど、病態を的確にとらえなければ正しい診断をすることは出来ません。
まず総合的に、正確な診断を下す必要があります。基本となるのは問診です。発作のあった日時、その痛みの程度、いたんだ部位、痛みが続いた期間などのほかに、病歴、薬使用の有無、家族に痛風患者がいるかどうかなどが、診断の参考にされます。
一番確実な診断は、尿酸の結晶の証明です。そのために、関節せんしという方法で、関節に注射針を刺して関節液を採って調べます。
中には関節液が採れない場合や、発作が治まってから受診するため、調べることが出来ない場合もあります。そこで、血液・尿検査をはじめ、心電図検査、レントゲン検査、腎機能検査、超音波検査、CT検査などをして、総合的に判断されます。
なかでも重要なのが、血液中の尿酸値の測定です。以前は測定方法が難しかったのですが、最近は正確な値が得られるようになりました。
健康な人でも、個人差や性別、年齢によって尿酸値が異なっています。ただし、こうして測定された値のどこまでが正常で、どこからが異常かという点については、いろいろな説があります。
実験的に血液中に溶ける尿酸の量は、1dl中7mg程度が限界とされています。そこで、尿酸値は1dl中7mgまでなら正常というのが最近採用されるようになった共通の基準です。それ異常になると高尿酸血症で、治療が必要とされています。
男女別に異なった尿酸の正常値がしめされている資料もありますが、男女共7mg以下というのが正常値(基準)です。
治療の基本は薬物療法です。発作に対する薬と、尿酸値をコントロールする薬があります。発作には、その直前に必ずといっていいほど予兆があるので、そのときにはコルヒチンという薬を飲みます。これはイヌサフランの種子や球根から得られる物質で、古くから痛風発作の特効薬として知られています。
ただし、痛みが起こってからコルヒチンを飲んでも意味がありません。その場合は、抗炎症剤を飲みます発作を鎮めるよりも、もっと重要なのは、体内の尿酸値を下げる治療です。発作が治まったからといって、尿酸値のコントロールをしなければ、発作はまた起こります。
尿酸値が高いままになっていると、腎臓や心臓、脳などにまで障害が進行して、取り返しのつかないことにもなります。
治療のポイントは血液中の尿酸値を、1dl中6mgまでの正常範囲内に抑えることで、尿酸値を抑える薬には、尿酸合成阻害剤と尿酸排泄促進剤の二つのタイプがあります。尿酸合成阻害剤は、尿酸が過剰につくられないようにするものです。尿酸排泄促進剤は、尿酸の排泄が低下しているタイプに効果的で、腎臓に働いて、尿酸の排泄を促進します。
これらの薬は発作を抑える治療薬ではありませんから、発作に効かないどころか、薬を飲み始めてから数ヶ月間はかえって発作を誘発することもあります。発作が起こったからといって、尿酸値が高くなっているわけではありません。
痛風発作の予兆を感じたら、前にあげた発作を止める効果のあるコルヒチンを服用して、症状の悪化をふせぎますそうしておいて、高尿酸血症の治療薬を飲みつづけていけば、半年くらいで、体内の尿酸値も落ち着き、発作を起こすこともほとんどなくなります。
◇痛風発作が起きても治療せずに放っておくと、関節のみならず関節の周囲や軟骨、皮下組織などにも尿酸の結晶がたまって「痛風結節」というこぶができ、触っても痛みはないため、気付かない内に大きくなってしまうこともあります
◇尿酸は腎臓から尿として排出されるので、尿酸が増えれば腎臓にも負担がかかります。処理しきれない尿酸が結晶化して腎臓の中にたまり、腎障害を起こします。
◇腎障害を気付かずに放っておくと腎不全、さらに尿毒症を起こし、死に至ることもあります。
◇高尿酸血症の人が、高血圧や糖尿病、高脂血症などの合併症を起こしていることも少なくありません。検査で尿酸値が高めだと診断されたら、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
正常値 7.0mg/dl以下 : 男女ともに7.0mg/dl以上になると「高尿酸血症」と呼ばれます
◇尿酸値の平均値は男性で4.0~6.5mg/dl、女性では3.0~5.0mg/dlが正常といわれています。
◇高尿酸血症だからといって、すぐに痛風の発作が出るわけではなく、長年放置しておくと尿酸の結晶が関節など に蓄積して痛風になってしまうのです
◇動物脂肪やプリン体を含んでいることが多く、動脈硬化・心臓病・痛風を引き起こす可能性があるので要注意
◇たんぱく質の取り過ぎは腎臓の負担が大きい
痛風というと、当面の痛みの除去だけに注意がむきがちですが、本当に重要なのは痛風発作を抑えることよりも永続的な尿酸値のコントロールです。
痛風発作で死ぬようなことはありませんが、自己管理を怠ったり、治療を誤ると、腎臓病や心筋梗塞、脳卒中などを併発し、命を落とすケースが多いからです。 なかでも恐れられてきたのは、痛風腎という腎臓の合併症です。
痛風患者の死因でこれまで一番多かったのがこの痛風腎で、以前は40%も占めていました。高尿酸血症の状態が続くと、体内に尿酸がしますが、関節以外で沈着しやすいのは、腎臓の尿細管という尿をつくる部分です。ここに尿酸が沈着すると、腎臓の働きが低下して腎不全になります。尿細管から再吸収されるはずのたんぱく質が尿中にもれ出したり、尿を濃縮する能力が低下したりするためです。
このような状態を、痛風腎といいます。この痛風腎から慢性腎不全、さらには尿毒症という経過をたどります。しかもこの腎臓病はかなり進行しないと病状が現れないので、注意深く検査をし、対処していかねければなりません。
また、痛風患者の尿は酸性に傾きやすく、尿酸量が多くて尿路結石ができやすくなります。酸性の尿だと尿酸が尿に溶けにくくなるからです。腎臓病には高血圧、高脂血症なども併発します。したがって、痛風腎の治療は血中尿酸値のコントロール、尿中の尿酸量の減少、尿のアルカリ化を目的とします。
具体的にいうと、前にあげた高尿酸血症の治療薬のほか、ウラリットUや重曹などのアルカリ剤や、水を十分に飲むことが中心になります。からだの中で尿酸に変化するプリン体という物質を豊富に含む食品を控え、アルカリ性食品を十分に摂取することも重要です。
このような痛風治療の進歩により、最近は、以前のように腎不全から尿毒症になって死亡する人は減ってきました。かわって増えてきているのが、心筋梗塞や脳卒中などになって死亡する人です。
実際、これらのもとになる高脂血症や高血圧、糖尿病、肥満などを合併している痛風患者はかなりの数になっています。しかも、腎臓病同様かなり悪くなるまで自覚症状がないため、本人が気づかないうちに症状が進行していくので、日ごろから注意しておく必要があります。
なかでも高脂血症は心筋梗塞の最大のリスクファクターです。からだの中の脂肪成分のどれが多いかによって病気のタイプが分けられ、治療方法も少しずつ違っていますが、基本は食事療法と運動療法です。
食事は、まずカロリーを制限し、動物性脂肪を出来るだけ減らして植物性脂肪に代えるようにします。運動は、消費エレルギーを増やして、からだの中の脂肪分を減らします。特に歩くことが効果的です。
高血圧では、程度に応じて塩分の制限が必要になります。程度がひどければ降圧剤の服用もやむを得ませんが、原則的には減塩食から始めて、無理なく血圧を下げていくのがよい方法です。
ストレスや睡眠不足は血圧を上げる大きな要因になりますので、精神的な安定を心がけます。そのための精神安定剤の服用も効果があります。
糖尿病は、その90%がインスリン非依存型で、インスリンの分泌反応の低下は、食べずぎ、運動不足が原因で起こります。糖分、カロリーを制限した食事療法、運動療法が中心になります。特にケーキなどお菓子類を控えること、コーヒーなどに入れる砂糖や、アルコールを減らすことが大切です。このような食事療法、運動療法による減量で適切な体重にしていくことも重要です。
ただ、ここで気をつけることは、急激な減量は痛風発作を誘発しやすいことです。減らしていく場合は、1ヶ月に1~2Kgぐらいを目標に、徐々に減量するように心がけてください。
◇血液中の尿酸濃度には男女差があり、男性の方が高いため、痛風にかかる人は男性100人に対して女性1~2人
◇女性の尿酸値が上がらないのは、女性ホルモンが尿酸を排泄するからといわれており、女性も女性ホルモンが減少する更年期(閉経後)には注意が必要です
◇痛風になる人の2人に1人は肥満だともいわれます~太った人は肉類や高カロリー食を好む傾向にあり、尿酸のもととなるプリン体を体内に増やす原因になるため
◇太った人には汗かきが多いことも尿酸値を高める原因~汗をかくと尿量が減り、尿が濃くなって酸性に傾き、尿酸が溶けにくくなるため
◇肥満はすべての生活習慣病につながるので、まずは肥満を予防しましょう
◇アルコールの中でもとくにビールにはプリン体が多く含まれているため、ビール好きの人は痛風になりやすい
◇アルコールは体内で尿酸を多量に作ると同時に、腎臓でも尿酸の排泄機能を低下させる
◇痛風発作は、ビールの消費量が圧倒的に多くなる夏と、年末年始に多いとされている
◇痛風を発症する年齢は40~50代が多い~男性の場合、尿酸値は思春期に急激に上昇し、頂点に達する思春期を過ぎてから過食や過飲をしていると尿酸値はさらに上がってしまう
◇最近では30代でも高尿酸血症を発症することもあり、年々若年化しているので、飲・食生活に気をつけましょう
◇高尿酸血症の人の食生活を見ると、プリン体を多く含む食品をよく食べている傾向にあり、とくに、鶏や豚のレバー、白子、魚の卵など酒の肴になる珍味といわれるものはプリン体を多く含んでいる食品が多い
◇肉より魚がいいと思って、刺身などを食べる人がいますが、かつおやまぐろ、海老やイカなどはプリン体も多く、食べ過ぎには注意を!
◇極端な食事制限をする必要はありませんが、偏食をせず、バランスよく食べるようにしましょう
◇ストレスがたまっていたり疲労で疲れきっているときなどは尿酸値が上がり、痛風発作が起こりやすくなる (ストレスを受けると腎臓の血管が収縮して尿量が減少し、尿酸の排泄機能が低下すると考えられている)
◇急激に筋肉を使う無酸素運動を行うと尿酸の産生量が増加するとともに、尿酸が体内にたまって尿酸の排泄機能が低下するため、尿酸値が上昇してしまう~筋肉トレーニング、走り回る運動、瞬発力を必要とする運動には十分注意
◇有酸素運動であっても、汗をかくと尿酸値は上がるので、運動後はたっぷりと水分を補給することただし、運動後のビールはダメ!!)
◇食生活や生活習慣などの環境因子が家族で似ているため、親子で痛風になることがある (家族に痛風患者がいる場合には、まず生活習慣を見直しましょう)
血管を増強するビタミンPとして1930年に発見された。植物が持つ抗酸化物質であるフラボノイドの一つ。最近、アレルギーや炎症を鎮める効果が発見されている。 炎症を抑える効果があり、ぜん息、鼻炎、胃炎の治療にも使われている。ケルセチンをとるために1日1~2個のタマネギかもしくはサプリメントの摂取を推奨している。
EPAは酸化されやすく不安定な脂肪酸である。このような脂肪酸をサプリメントでとる際には、酸化を防いでくれるビタミンEを一緒にとることが望ましい。ビタミンEにも、ロイコトリエンの過剰な生成を抑える働きがあるので、二重にEPAの働きを助けてくれる。
ビタミンB群の一つである葉酸には、尿酸をつくる酵素、キサンチンオキシダーゼの活性を弱める働きがある。その結果、体内でつくられる尿酸の量を減らせるということだ。
ビタミンCは、組織の中に潜んで悪さをしかねない尿酸を腎臓へ移動させ、尿への排泄を促してくれると考えられている。ただし、痛風患者は、いきなり数kのビタミンCをとってはいけない。 組織中の尿酸が一気に腎臓に殺到すると、腎障害を起こす可能性があるし、痛風発作の引き金ともなるからだ。
通常は、1日500mgくらいから初めて、少しずつ量を増やしていくことが勧められる。葉酸のサプリメントを併用して、生成される尿酸の量を抑えながらビタミンCを使っていくのがよい。パイナップルに含まれる消化酵素のブロメラインは、食後に服用すれば消化を助けてくれるが、空腹時にとれば炎症を抑えるのに役立つ。二通りに利用できる便利なサプリメントだ。
痛風の民間療法で、欧米で一番有名なのはチェリーのジュースだろう。アメリカン・チェリーなどと呼ばれる大粒で黒っぽい色のチェリーを1日約200kジュースにしてとることで痛風の痛みが抑えられるというリポートは、1950年に米国の医学ジャーナルに掲載されている。