昔は化粧品として便われ、現在でも衣類の染料としての用途もある紅花の種子を圧搾してとった油。英語名のサフラワーオイルで呼ばれることもあります。
紅花は山形県などで栽培されていますが、油の原料となるのはアメリカ、オーストラリアなどからの輸入品です。
紅花油には2タイプがあり、含まれる脂肪酸の種類が違います。
以前からおなじみのリノール酸の多いタイプ(リノール酸含有量が植物油中トップ)に加えて、最近はオレイン酸が中心の紅花油も出回っており、それぞれの脂肪酸を70%以上含んでいます。
リノール酸もオレイン酸も、コレステロールを低下させて高血圧や動脈硬化の予防効果のある不飽和脂肪酸です。バターやラードなどの動物性の油脂を紅花油にかえることで、これらの症状が改善される例も多くみられます。
また、ビタミンEは細胞の活性化、増血などに効果があります。精製されたものより未精製を選ぶようにします。
あらゆる料理に使えますが、リノール酸タイプは熱によって酸化されやすいので、サラダ、マリネなど生食向きです。 熱に強いオレイン酸タイプは揚げ物や炒め物など加熱料理にも、サラダドレッシングなど生食用にも向いています。
油脂は高エネルギーなので、とりすぎは肥満につながります。また、リノール酸の過剰摂取は免疫力を弱め、アトピーや花粉症などのアレルギー症状、老化、心臓病、がんなどを促進するという報告もあります。