コンドロイチン硫酸は、人間の体内でアミノ酸と糖が結合したグルコサミンが代謝して生成される、ムコ多糖の一種です。コラーゲンとともに軟骨、骨、心臓弁、皮膚、角膜などの結合組織を構成しています。
コンドロイチン硫酸の「コンドロイチン」とは、ギリシア語の「軟骨」との意味で、クッションとなる弾力性や水分を保持する役割を担い、全身の関節が柔軟にスムーズに動くために、重要な働きをしています。
また、膝の関節軟骨変性によって発生する変形性膝関節症に対して、抑制作用や水分保持などの働きで膝の関節軟骨を守ると考えられているほか、関節の軟骨成分の生成を助け、すり減りを予防する効果が期待されています。
コンドロイチン硫酸は、人間の体の中で若いころは盛んに合成されますが、加齢とともに自然と生産量が減少し減少し始め、20歳のピーク時より60歳では、4分の1まで合成作用が衰えるので、必要とする分量に間に合わなくなってしまいます
その結果、関節の軟骨も減少してしまうことから、膝などの痛みや炎症を起こす原因にもなってしまいます。コンドロイチンが含まれるネバネバ食品の納豆や山芋、オクラなどは昔から、「長寿食」「滋養食」として珍重され 、愛食されてきましたが、これは先人たちが幾世代にもわたる長い歳月をかけて自然から学びえた経験的な知恵でした。
そして、このネバネバ物質、ムコ多糖類の代表が、コンドロイチン硫酸です。身体のあらゆる部分にあって、体のあらゆる動きを円滑にする潤滑油の役割を担っているのが、コンドロイチン硫酸です。これら植物性食品、及び軟骨やフカヒレなどの動物性食品いずれも多量な摂取は難しいため、サプリメントなどでコンドロイチンを補充する必要があります。
グルコサミンとコンドロイチンの関係は、「部品」と「製品」に例えられます。グルコサミンは、体内に摂取されるとムコ多糖類の構成成分として、コンドロイチンは、ヒアルロン酸と共に代表的なムコ多糖類として活躍します。
コンドロイチンという物質は人体に対して非常に有用な効果を与えてくれます。そのうちの一つに関節に対しての効果があります。 コンドロイチンは関節をサポートしてくれるか軟骨の成分として有名です。
軟骨というものは関節の働きを良くしてくれる大切なものであります。また働きだけではなく、関節同士の衝突を防いでくれたり、衝撃をやわらげてくれたりなどの重要な役割をもっています。
軟骨は年齢を重ねるごとに弱くなっていくので、このコンドロイチンの存在がより重要になっていきます。コンドロイチンは不足すると軟骨の弾力や柔軟性が失われることもあり、関節に関わる痛みに大きく影響を与えます。
神経痛、筋肉痛、関節痛(腰痛・肩こり・五十肩など)、手足のしびれ、便秘、眼精疲労、脚気これらの症状について1ヶ月ほど使用しても改善が見られない場合は、 医師又は薬剤師にご相談ください。
コンドロイチンは関節に関わるものとして有名ですが、体全体の健康を守るという意味でも非常に効果的なものとなります。体内の水分を調節してくれることからむくみなどの予防につながったり、また血液や血管などに作用し、動脈硬化などの予防にもつながっていきます。
さらには新陳代謝などを良くするなど、体の免疫能力を高めてくれることで感染症などに対する防御力を高めることもできます。そのため全身の健康を守るためにも必要な成分として存在し、その健康が結果的に美容などにもつながるとして非常に有用なものとなっています。
コンドロイチンは、私たちが生きていく上でなくてはならない必須の成分です。また、加齢によってコンドロイチンを合成する酵素のはたらきが弱まり、生体内における合成量が年々低下するため、30歳以降においては積極的にコンドロイチンを摂取する必要があるといわれています。さらに、老化と関係の深い、水分保持や、痛みに対する優れたはたらきを持つことから高齢者にとって特に重要な成分であるということができます。
コンドロイチンは、鶏の皮、牛・豚・鶏の軟骨、ナマコ、ウナギ、ハモ、ドジョウ、フカヒレ、スッポン、鯛やマグロの目玉、納豆、山芋、オクラ、なめこ、根コンブなどのネバネバ、ヌルヌル、ドロドロ、コリコリした食品に多く含まれます。しかし高齢者の場合、これらの食品を多く摂ることは逆にカロリーオーバーで肥満、生活習慣病のリスクを高めてしまうことも考えられます。
高齢者の場合は、食品から適度に摂るとともに、必要に応じてコンドロイチンを含むサプリメントなどを利用することが望まれます。高齢になっても生き生きと生活できる、高齢社会を迎えた私たちの社会にコンドロイチンに対する期待は今後もますます大きくなるものと思われます。
日本人の平均健康寿命は世界保健機関(WHO)加盟192カ国中第1位。これは単に寿命が長いことだけによるものではありません。寿命から差し引くケガや病気の期間の短さを見ても、男性が第4位、女性が第1 位となっていて、私たち日本人が世界で一番健康で寿命が長い民族というこのようです。
しかし私たちは、果たしてそのような実感を持っているでしょうか?実際に家族や親族、友人の最期の期間はご本人にとっても、あなたにとっても長くて苦しいものだったのではないでしょうか?それもそのはず、日本人の平均健康寿命を算出する際に寿命から差し引かれるケガや病気の期間は、男性で6.1年、女性で7.5年にもなるのです。
平均健康寿命を見て、私たちが考えなければいけないのは、「どうすればこの病気やケガの期間を少しでも短くできるのか」ということではないでしょうか。このような中で見直されてきたのが、骨と関節の重要性です。骨と関節は、精神的、肉体的、またQOL(生活の質)向上という点からも重要とされ、現在世界的規模で骨と関節の健康を守るためのさまざまな取り組みが始まっています。
骨と関節を守る取り組みは、高齢者本人のQOL(生活の質)の維持向上のために必要なのはもちろん、健全な高齢社会を作るための社会的な取り組みでもあります。日本は現在急速な高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者が急増しています。
厚生労働省・介護制度改革本部がとりまとめた『介護保険制度見直しに関する意見』(2004年7月)では「介護予防の推進」が見直しのひとつ目のポイントとして位置付けられ、これまでの「介護」だけのモデルから「介護+予防」モデルへの転換の必要性が提言されています。
『2001年国民生活基礎調査』によると、介護が必要となる原因として一番多いのは「脳血管疾患27.7%」、続いて「高齢による衰弱(16.1%)」、「転倒・骨折(11.8%)」、「関節症(10.4%)」となっています。
「骨折・転倒」と「関節症」を、「骨と関節の疾患」として考えると合わせて22.2%となり、「骨と関節の疾患」は「脳血管疾患」に次ぐ要介護状態のきっかけとなっていると考えることができます。「介護+予防」モデルを実現する上で、「骨と関節の疾患」の予防に向けた取り組みが大きなカギを握っているといえます。
骨と関節を守る上で、重要な役割を担う素材成分としてコンドロイチンが注目されています。
コンドロイチンは、全身の至る所に存在する成分ですが、特に関節軟骨に多く含まれています。関節軟骨は、骨の先端を覆うゲル状の青みがかった組織で、コラーゲン繊維が作る網目状の骨組みにコンドロイチンを含むプロテオグリカンが絡みついた構造をもち、厚さは4~6mm、骨よりも柔らかく、ヒアルロン酸を主成分とした関節液(滑液)を含み、表面の摩擦係数は氷と氷の接触摩擦よりも低い潤滑性能を持ちます。この関節軟骨があることにより、関節の骨と骨とが直接接することなくスムースに動かすことができます。
私たちの骨と関節はこのような関節軟骨によって守られています。そしてこの関節軟骨を守っているのがコンドロイチンです。コンドロイチンは血管のない関節軟骨に栄養分を供給するほか、関節軟骨を分解する酵素の働きを抑制したり、新しい関節軟骨の生成を促進するはたらきがあります。
したがって私たちが日々の生活でコンドロイチンを摂取することは関節軟骨を守ることにつながり、関節軟骨を守ることは骨と関節を守るということにつながるためとても大切なことなのです。
コンドロイチンは、鶏の皮、牛・豚・鶏の軟骨、ナマコ、ウナギ、ハモ、ドジョウ、フカヒレ、スッポン、鯛やマグロの目玉、納豆、山芋、オクラ、なめこ、根コンブなどのネバネバ、ヌルヌル、ドロドロ、コリコリした食品に多く含まれます。
高齢者の場合、これらの食品を多く摂ることは逆にカロリーオーバーで肥満のリスクを高めてしまうことも考えられます。したがって、高齢者の場合は、食品から適度に摂るとともに、必要に応じてコンドロイチンを含むサプリメントなどを利用することが望まれます。
私たちは現在長寿社会を実現しつつあり、今後はできる限り病気やケガの期間を短くしていくことが目標となります。そしてその実現にコンドロイチンが大きな役割を果たす、コンドロイチンに対する期待は今後もますます大きくなるものと思われます。
体重によって必要とされている1日に最低必要なグルコサミンとコンドロイチンの量
コンドロイチンは、体内で生合成される成分で、安全性が高いとされており、副作用は稀だとされています。
現在のところコンドロイチンの副作用としては、上腹部痛や吐き気、下痢や便秘などが報告されています。点眼薬としての副作用としては、眼圧の上昇や目の不快感などが報告されています。筋肉内注射としては安全性が示俊されています。
コンドロイチンは、体内での生合成が可能な成分で、加齢とともにその量が減少することが判明しています。喘息の方は、症状を悪化させる場合がありますので、注意が必要です。
医療目的で小児にコンドロイチン硫酸を摂取させるのは、科学的根拠が不十分なため、推奨できません。
高用量のコンドロイチン硫酸(2,400mg/日)と高用量のグルコサミン(3,000mg/日)とを併用すると、ワルファリン(抗凝固薬)の作用を増強する可能性があります。
抗凝固薬や抗血小板薬、非ステロイド系炎症薬などの出血を高める可能性がある薬と併用すると、出血のリスクが高くなる可能性があるとされています。