1. 栄養機能食品とは

栄養機能食品とは、高齢化やライフスタイルの変化等により、通常の食生活を行うことが難しく1日に必要な栄養成分を取れない場合に、その補給・補完のために利用してもらうための食品です。

1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、国が定めた上・下限値の規格基準に適合している場合、その栄養成分の機能の表示ができます。機能の表示と併せて、定められた注意事項等を適正に表示しなければなりませんが、国への許可申請や届出は必要ありません。

栄養機能食品は、食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示に関する内閣府令において、「食生活において特定の栄養成分の補給を目的として摂取をする者に対し、当該栄養成分を含むものとして国が定める基準に従い当該栄養成分の機能の表示をするもの(健康増進法第26条第5項に規定する特別用途食品及び生鮮食品(鶏卵を除く。)を除く。) と規定されています。(食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令第1条第1項第13号)

1. 栄養機能食品として表示ができる栄養成分とは

栄養機能食品の表示の対象となる栄養成分は、人間の生命活動に不可欠な栄養素で、科学的根拠が医学的・栄養学的に広く認められ確立されたものです。現在は、ミネラル5種類、ビタミン12種類について、規格基準が定められています。

1. ミネラル類

カルシウム、亜鉛、銅、マグネシウム、鉄

2. ビタミン類

ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸

栄養機能食品の表示を認められ、一定の条件を満たせば栄養機能食品として広告・宣伝ができるようになったものが、12種頬のビタミンと5種類のミネラルです。

3. 栄養機能食品の禁止事項

  1. 機能表示が認められていない成分の機能の表示
  2. 特定保健用食品で許可されている、「お腹の調子を整える」など、特定の保健の目的に役立つ旨の表示
  3. 医薬品と誤認されるような疾病の診断、治療、予防等に関係する表現

2. 健康補助食品とは

健康補助食品とは、(旧)厚生省の指導により1986年より規格基準を設定がされ(財)日本健康・栄養食品協会(JHFA)が認定した健康食品のことです。保健機能食品制度のスタートに伴って「健康食品」から「健康補助食品」へと呼称を変えました。

JHFAが定める製品、製造・加工、表示広告などの規格基準に適合した製品に対して認定され、JHFAマークを表示できます。

健康補助食品・健康食品は、健康の保持増進に役立つものであるものとして機能が宣伝され販売・利用されることで、学術的な認識とは独立したもので他の食品とは区別された一群の食品の呼称とされています。

しかし、健康食品は「健康に役立つ食品」ということで正式な定義はありません。健康補助食品・サプリメントは食品に分類されていることを知らない人も多いでしょう。

その一方で、サプリメントを購入する人はそれなりのものを期待していると思われます。そして、その期待しているものは栄養的なものや薬用的なものなのではないでしょうか。

メーカー、販売店も消費者のこのような気持ちを刺激する活動も行っています。このようなことが、健康食品の業界を混乱させている一因とも思えます。

また、食品は「食品衛生法」という法律で管理されていますが、医薬品のように厳しい審査がないために、医薬品に比べ製造・販売は簡単に行えます。このことも、健康食品の業界を混乱させている一つの原因とも思えます。

このように、サプリメントは食品の一部であり、国が管理する重要項目は衛生的で安全であることです。栄養的な価値は法律的には重要視されません。 極論すれば、口に入れて安全であれば法律的には何でも良い訳です。

このことから、消費者は自分自身の力で正しいサプリメントの見分け方を身につける必要があるのです。国はサプリメントの品質に関しては、問題視いたしません。

1. 健康補助食品の利用

薬や手術に頼らない療法(代替医療)として健康補助食品の機能が注目される気になる二ユースがあります。1993年、WHO(世界保健機構)が結核に関する「世界非常事態宣言」をしました

世界人口の3分の1をこえる人々が、結核菌に感染しているということです。かって結核といえば、現在の癌(ガン)のように死の病とされてきましたが、効き目の良い抗生物質が開発されてからは、ほぼ撲滅されたと思われていました。

ところが治る病気が治らないという状況が近年、再び生まれ、この非常事態宣言となったのです。これは抗生物質が効かない耐性菌がはびこるようになったからです。

こうした現象は、薬剤に頼りきってきた現代医学へ大きな警鐘として受け取らなければなりません。いくら優れた薬が開発されても、菌が抵抗カを付けて強い菌として生まれ変わるのです。

このイタチゴッコが現代医療の技術を引き上げたのでしょうが、「薬剤のみに頼らない」「免疫力を引き上げる」など、人間が本来持つ能カの回復・維持力にもっと真剣に取り組んでも良いのではないでしょうか。

健康補助食品を用いることは、その手段のひとつです。利用される素材も作用も様々で、伝統的なものから、最近の研究で作用がわかった新素材などまでバラエティに富んでいます。

3. 特定保健用食品(トクホ)とは

特定保健用食品は、食品の持つ特定の保健の用途を表示して販売される食品です。特定保健用食品として販売するためには、製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け、表示について国の許可を受ける必要があります。

特定保健用食品及び条件付き特定保健用食品には、許可マークが付されています。 ”血圧が高い人に”・”コレステロールが気になるあなた”・”おなかの調子を整えるには”といった心を引き付けられる宣伝に思わず商品を手にとったこともあるかもしれません。

でもこのトクホマークがついてるものを食べたり飲んだりすると、血圧やコレステロールが下がって、便秘は解消されることはあるんでしょうか?残念ながら薬ではないので即効性もなく、また治療目的で摂取すべきものではありません。

あくまでも食生活の+αの存在、治療を必要とまではいかないけれど、少し気をつけたほうがいい時に、食生活の一貫として組み込める食品という位置付けになります。

トクホとして指定されている食品・食材はヒトにおける効果試験が行われ、国の審査を通ったものになります。 許可されるためには、健康維持のための効果が期待され、それらの科学的根拠が明らかである必要があります。

また他にも一定の基準を元に審査されます。また過剰摂取した場合の影響についても試験されているのが単なる食品との違いです。

※2006.3にトクホとしての大豆イソフラボンの1日の摂取上限が30mgに決められましたが、一般の味噌や豆腐といった食材の量を制限しているわけではありません。あくまでもトクホとして+αで摂取する際の摂取目安です。

1. トクホ+治療薬=病気が治る

基本的に治療を受け、医師から薬を処方されている、トクホを利用するというのは安易にお勧めできませんし、商品にも”医師に相談”といった文言があります。

またトクホ商品の成分の中には体内の酵素に働きかけるものもあり、これらと様々な医薬品を一緒に服用した時のデータが全て揃っているわけではないという現状もあります。

そして薬を飲みたくないから、といった理由からトクホを買う方も気持ちはわかりますが、ちょっと複雑。というのは、これらトクホはあくまでも食品であって治療薬ではないからです。

例えば健康診断などで要治療マークが出されてしまった場合には、トクホを摂取する前に医師の診察を受けることをお奨めします。

◇それでは誰が使うのか

先の文に戻りますがあくまでも治療するほどではないけれど、少し気をつけたい方、~例えばコレステロールや中性脂肪が今は基準値で問題ないけれど、今後高くならないように普段の食生活で少しコレステロールを意識した生活をしたい場合~でしょう。

またいわゆる便秘気味の場合で腸などの疾患がなく、日常無理なく摂取できる範囲でこういった商品を摂取するのもよいでしょう。

ちなみに私も中鎖脂肪酸を含むコレステロールが気になる方用の油やスムーズなお通じのためにオリゴ糖を摂取していますが、普段の食生活、生活スタイルが基本にあるのは言うまでもありません。言葉に惑わされず、上手にトクホを利用して健康生活目指しましょう!

ページのトップへ