ビタミンDは人類を救う救世主

Ⅰ.ランチタイムの日光浴で貴方の寿命が延ばせる

Ⅱ.日本は10年遅れ!・ ビタミンDのパラダイムシフト

Ⅲ.がんや心臓病に打ち勝つビタミンDの実力

Ⅳ.アレルギーに打ち勝つビタミンDの底力

Ⅴ.日光浴で病気を遠ざける~ビタミンDを効率よく得る方法

ビタミンDは人類を救う救世主

  本記事は斎藤糧三著「病気を遠ざける1日1回日光浴」日本人の知らないビタミンDの実力によります。

Ⅰ.ランチタイムの日光浴で、あなたの寿命は延ばせる

1-1 現代人の過半数はビタミンD欠乏

 多くの人が現在、がん、心臓病、脳卒中、認知症、花粉症、アトピー性皮膚炎といった慢性疾患に悩んでいます。 がん、心臓病、脳卒中は日本人の3大死因であり、65歳以上の高齢者のおよそ15%が認知症とされています。  これらの慢性疾患の背景に、これまで長らく見逃されてきた。ビタミンDの不足”があります。日本を始めとする先進諸国では、過半数に近い人はビタミンDが足りない状態であ り、それが慢性疾患の一因と考えられています。

 日本では医師や研究者でもビタミンDに目を向ける人は少数派ですが、ビタミンDは世界的にいちばんホットなビタミン。
アメリカでもっとも頻繁に行われる特殊な血液検査(「血糖値」など、一般的な検査では調べない項目の検査)は、ビタミンDの血中濃度の測定です。さらに、単体のビタミンサプ リメントで最高の売上を記録しているのもビタミンDなのです。

1-2 慢性疾患の原因はビタミンD不足

日本では医師や研究者でもビタミンDに目を向ける人は少数派ですが、ビタミンDは世界的にいちばんホットなビタミン。
アメリカで単体のビタミンサプリメントで最高の売上を記録しているのもビタミンDです。現在では、次のような疾患に、ビタミンDの不足が何らかのかたちで関わり、ビタミンDの充足で改善できる可能性が指摘されています。

    ビタミンD欠乏が関連していると考えられる疾患
  1. がん(大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど)
  2. 動脈硬化性疾患(心臓病、脳卒中など)
  3. 認知症(アルツハイマー型認知症など)
  4. 高血圧
  5. 2型糖尿病
  6. アレルギー疾患(花粉症、アトピー性皮膚炎、遅延性フードアレルギーなど)
  7. 自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患、I型糖尿病など)
  8. 感染症(かぜ、インフルエンザなど)
  9. 精神障害(うつ病、季節性うつ、自閉症、統合失調症など)

1-3 日光浴でビタミンDは合成できる

「ビタミン」とは体内で合成できない微量な栄養素ですが、「ビタミンD」は体内で合成できます。日光浴で紫外線を浴びると、皮膚(皮下)でコレステロールからビタミンDが作られるのです。それゆえビタミンDは、厳密には「ビタミン」ではありません。

Ⅱ.日本は10年遅れ・ビタミンDのパラダイムシフト

2-1 ビタミンDサプリ市場は急成長

2000年代に入ってアメリカを中心に、カルシウム代謝以外の働きに関心が集まるようになり、ビタミンDを人体のあらゆる機能を調節するホルモン”として重要視するパラダイムシフト(価値観の劇的な転換)が起こりました。 そしてビタミンDは、今もっとも注目されるビタミンとして、多くの医学論文が発表されるようになりました。

2-2 遺伝情報を調整する働き

 ビタミンDは、細胞に備わったアンテナのような。受容体”に結合して、その機能を発揮するしくみになっています。  近年、このビタミンDの受容体(VDR)は、骨代謝とは関わりのない多数の組織で発見されています。そこには血管の内皮細胞、膠臓、心臓、骨格筋、骨盤などの細胞に加えて、神経細胞、造血細胞、免疫細胞などが含まれています。

 ビタミンDの受容体がこれだけ多くの組織にあるという事実は、ビタミンDのホルモン作用が、実に多彩なものであることを物語っています。 ビタミンDの受容体があるのは、細胞の頭脳であり、心臓部でもある「細胞核」。細胞核の内部には、遺伝情報を記録したDNA(デオキシリボ核酸)が二重らせんを描いて収納されています。

 ビタミンDが受容体に結合すると、DNA内のビタミンD反応因子として知られる特定の配列に結合し、その遺伝情報(実態は様々なタンパク質の合成です)を読み出して効力を発抑するのです。

2-3 カルシウム吸収率3~4倍アップ

 ビタミンDの働きとしてこれまで知られていたのは、体内へのカルシウムとリンの吸収の調節です。

カルシウムは小腸の上皮細胞から体内に吸収されます。他のミネラル同様、カルシウムの吸収効率は10~15%でさほど良くありません。 ところが、ビタミンDが上皮細胞の細胞核にある受容体に働きかけると、カルシウムの吸収をスムーズに行うための環境が整います。 これによって、小腸でのカルシウム吸収率は10~15%から30~40%と3~4倍にもアップするのです。

「骨」はコラーゲンという線維状のタンパク質に、カルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルが結合したもの。身体を支えるフレームの役目を果たしています。骨を鉄筋コンクリート造の柱にたとえるなら、コラーゲンは鉄筋であり、カルシウムなどのミネラルはコンクリートに相当します。 カルシウムやリンなどの摂取が少なかったり、その体内への吸収を助けるビタミンDが欠乏したりすると、骨の健康は保てなくなります。

2-4 ビタミンD欠乏で骨がもろくなる

 骨は破骨細胞による分解と吸収、骨芽細胞による合成を繰り返す新陳代謝をつねに行っています。
ビタミンDが足りないと、カルシウムなどのミネラルが不足するため、リモデリングのバランスが崩れて、骨が弱くもろくなってしまいます。 逆にビタミンDを多く摂り入れると、リモデリングが最適化して骨が強くなります。

2-5 一日100ugを目指す

 ビタミンDの血中濃度を最適化し、現代人が悩む慢性的な疾患の予防と改善を果たすために、成人には1日100ug(4000IU)の皮下での合成と摂取をすすめています。 これで血中濃度の充足レベルの下限である40ng/mlまで高めるのが狙いです。

2-6 100ugも摂って本当に大丈夫か

 ビタミンD過剰の代表的な弊害として挙げられるのが、血液中にカルシウムが増えてくる高カルシウム血症。
一つの論文を除くと、250ug/日未満では高カルシウム血症の報告はみられないため、これを健康障害非発現量とし、アメリカ・カナダの食事摂取基準に準拠して、不確実性因子を2.5として、耐容上限量を100ug/日とした」と説明しています。

 一世代前の『日本人の食事摂取基準(2010年版)』では、耐容上限量は現在のちょうど半分の50ug/日となっていました。 安心して100ug/日のビタミンDを合成・摂取してください。

 ビタミンDの1日100ugいう数字は、国が定める摂取目安量の18倍以上。「そんなに大量に摂取しても大丈夫なのか」という疑問の声も聞こえてきそうですが、これ以上摂らなければ安全という耐容上限量がちょうど100ugですから、何も問題はありません。

 紫外線を浴びて作られるビタミンDと食べ物から摂るビタミンDは体内では区別されず、まったく同じ効力を体内で発揮します。
どのくらい日を浴びているかに応じて、本来なら食事摂取基準の目安量は調整されるべきですが、食事摂取基準では日照によるビタミンD産生を踏まえていません。

 食事やサプリメントを中心に100ug/日のビタミンDを摂るのではなく、あくまで日光浴でのビタミンD合成を柱としてください。
皮下での合成なら、前述のように作りすぎによる過剰症が起こらないように自動的に調整されるので安心です。

2-7 高齢者の骨折予防に期待は高まる

 ビタミンDは、カルシウム代謝と骨代謝の適正化で、高齢者の転倒などによる骨折を防ぐ効果が期待できます。

 ビタミンDによる大腿骨近位部(股関節に近い部分)の骨折抑制効果を解析したメタアナリシスによると、1日約20ug以上の摂取で、有意な骨折抑制効果が認められました。 また、60歳以上の高齢者を対象とした5つの試験、合計1237例を解析したメタアナリシスでは、ビタミンDで転倒による骨折を22%有意に抑制できるという結果が出ています。

日本では高齢者を中心に年間15万人ほどが大腿骨近位部の骨折を起こしています。

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Ⅲ.がんや心臓病に打ち勝つビタミンDの実力

3-1 科学的に証明「がん抑制効果」

 日本人は2人に1人が生涯一度はがんに罹り、3人に1人ががんで亡くなる時代になりました。日本人の死因の第1位は長らくがん(悪性新生物)であり、2016年の1年間には全国で37万4000人が亡くなっています(国立がん研究センター「2016年のがん統計予測」)。

 日本人にとってがんはありふれた病気であり、"いまそこにある危機"に他なりません。がん対策は国家にとっても個人にとっても喫緊の課題ですが、ビタミンDががんとの戦いの切り札になると考えられます。 がん発症リスクの減少は科学的に証明されつつあります。現在では、ビタミンDは皮膚がん以外のほとんどのがんに対して抑制的に働くことが知られています。皮膚がんで死ぬことは稀ですが、ビタミンDは大腸がん、胃がん、食道がん、膵臓がん、肝臓がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなどのリスクを減らす公算があります。

3-2 高緯度ほど「がん発症率」は高い

 ビタミンDと発がんの間に、何らかの関わりがあるのではないかという報告はかなり以前からされてきました。それは始めのうちは緯度や日照不足と関連付けられていました。 がんと緯度の関係についての最初の研究報告は1916年まで遡ります。ホフマンという研究者が1908年から1912年までのがんによる死亡率が、高緯度ほど高くなることを発見しました。

 緯度が高いほど皮下でビタミンDを合成するのに必要な量の紫外線が地表に届きにくく、血中ビタミンD濃度が低くなりやすいために、がんの発症リスクを上げていたのです。1941年にオーストラリアーメルボルン大学のフランクーアパリーらは、北緯10~30度という低緯度に位置する都市の住民と、北緯30~40度というそれより高緯度に位置する都市の住民でがんによる死亡率を比較したところ、後者のほうが平均85%も高くなっていると報告しています。さらに北緯40~50度では118%、北緯50~60度では150%も高くなっていました。

3-3 日本人の大腸がんとビタミンDの関係

 日本の国立がん研究センターは40~69歳の男女約14万人を調べたコホート研究により、大腸がんとビタミンDの関係を明らかにしました。  保存血液を用いて血中ビタミンD濃度と大腸がんのリスクを調べたところ、男女とももっとも濃度が低いグループ(男性22.9ng/ml未満、女性18.7ng/ml未満)と比べて、それよりも濃度が高い3つのグループでは直腸がんのリスクが低くなっていました。 血中ビタミンD濃度がもっとも高いグループの直腸がんの発症リスクは、もっとも濃度が低いグループと比べて男性で90%、女性で70%も低かったのです。

♥女性の乳がんと男性の前立腺がん

 1993年から2010年まで閉経後の女性約13万人を対象としたコホート研究の結果(そのうち12%がビタミンDとカルシウムの介入試験を受けています)、 過去に喫煙歴がない非喫煙者の女性では1日400IU以上のビタミンDを摂取したグループで肺がんリスクの有意な低下が見受けられました。 ことに1日800IUのビタミンDを摂取したグループは、1日100IUのグループと比べて肺がんリスクが63%低下していました。

 女性が気になる乳がんにもビタミンDの発がんリスク低減効果が指摘されています。 欧米諸国では女性の8人に1人が乳がんになり、そのおよそ17%は乳がんが原因で亡くなるとされています。 欧米人と比べると日本人女性の乳がんは少ない傾向にありますが、10年以上前から女性の部位別の罹患率では乳がんがトップの座を占めており、その罹患率は上がって社会問題化しています。

 血中ビタミンD濃度と乳がんの発症リスクの関わりを調べたアメリカ-カリフォルニア大学のガーランド博士らの研究では、血中ビタミンD濃度がもっとも高いグループ(42ng/ml以上)の乳がん発症リスクは、もっとも低いグループ(11ng/ml未満)のおよそ半分に留まるとわかりました。 これらの研究を踏まえてガーランド博士らは、血中ビタミンD濃度を40~60ng/mlまで引き上げると、アメリカとカナダで毎年およそ5万8000人の新たな乳がん患者の発生が防げると試算しています。

 一方、男性が気になるがんといえば、前立腺がん。日本人の2016年のがん罹患者数予測では第1位であり、年間9万2600人以上が発症します(がんの罹患データは4~5年遅れで公表されるため、2016年時点での予測値)。 組織の一部を切り取る生検で悪性度が低いと評価された前立腺がん患者に1日に4000IUのビタミンD3を摂取してもらった報告があります。 1年間の試験を最後まで終えた44人の患者のうち、55%にあたる24人でがん細胞の縮少が見受けられました。

3-4 がん発症リスク減少

 このメタアナリシスで世界14力国にまたがる15本の論文を検証したところ、そのうち13本の論文では、ビタミンDの十分な摂取により、血中ビタミンD濃度が上昇すると大腸がんのリスクが下がると報告されています。 具体的には、血中ビタミンD濃度で4つのグループにわけて検証した結果、もっとも濃度が低いグループ(20ng/ml未満)の大腸がん発症リスクと比べて、もっとも濃度が高いグループ(40ng/ml以上)の発症リスクが33%減っていたのです。  

3-5 高血圧を下げる作用

 血圧を正常に保つことは健康の基本ですが、多くの人は血圧が高くなりすぎる高血圧に悩まされており、日本人の高血圧患者は1010万800人に上るとされています(厚労省「平成26年患者調査概況」)。 ビタミンDには高い血圧を下げる働きがあります。  

♥そもそも高血圧とは何か?

 そもそも血圧とは、心臓から送り出される血液が動脈に加える圧力のこと。単位はmmHg(水銀柱ミリメートル)です。 心臓が縮んで血液を全身に送り出したときの血圧を「収縮期血圧(または最大血圧、上の血圧)」、心臓が緩んで全身から戻ってくる血液を受け止めるときの血圧を「拡張期血圧(または最小血圧、下の血圧)」と呼びます。

 至適血圧は収縮期120mmHg未満で拡張期80mmHg未満。 高血圧とは、家庭で測るときには収縮期135mmHg以上かつ/または拡張期85mmHg以上、緊張により血圧が高めに出がちな医療機関で測るときには収縮期140mmHg以上かつ/または拡張期90mmHg以上と定められています。

 高血圧で原因がはっきりしているのは全体の10%程度にすぎません。 慢性腎炎や糖尿病性腎症などにより、血圧を調整している腎臓に障害が生じるのがおもな原因です。 それ以外の90%は血圧を上昇させる明らかな原因がなく、遺伝的素因に何らかの環境因子が絡んで生じるものであり、「本態性高血圧」と呼ばれています。 この「本態性高血圧」を下げるのにビタミンDが脚光を浴びているのです。

 ビタミンDは血管にも作用ているようです。 血管の内側にある血管内皮細胞が分泌するNO(一酸化窒素)は血管を緩めて血圧を下げる働きがあります。 ビタミンDは血管内皮細胞でNOを作る酵素(内皮型一酸化窒素合成酵素、eNOS)の産生量を増やし、血管をリラックスさせて血圧を下げているのです。

3-6 「高血圧」=「ビタミンD欠乏」

 紫外線による皮下でのビタミンD合成を増やすと、「本態性高血圧」患者の血圧が下がることが考えられます。 本態性高血圧患者に紫外線ランプでビタミンDを合成するUVBを6週間にわたって週3回照射したところ、血中ビタミンD濃度が平均で162%上昇し、収縮期血圧も拡張期血圧もともに6mmmHg下がったという報告があります。

 アメリカの黒人は白人と比べて高血圧の発症率が有意に高いことが知られています。 皮膚の色が濃いほど、皮下でのビタミンD合成量が少なく、血中ビタミンD濃度が下がりやすいからでしょう。

 283人のアメリカに住む黒人(平均年齢51歳)を、対照群(プラセボ)を含めた4群にわけて、1000IU、2000IU、4000IUのビタミンDの3ヵ月間の摂取によるに血圧の変化を測定した試験があります。その結果、ビタミンDの摂取が1000IU増えるごとに、収縮期血圧が1.4mmHg下がり、血中ビタミンD濃度が1ng/ml増加するごとに、収縮期血圧が0.2mmHg下がるという結果が得られました(いずれも拡張期血圧には変化はありませんでした)。

 2008年にアメリカハーバード大学のジョンーフォアマン博士らが公表した研究では、血中ビタミンD濃度と高血圧の発症リスクに明らかな相関がありました。 女性1484人(平均年齢43歳)を調べた結果、その65.7%は血中ビタミンD濃度が30ng/ml未満の欠乏症レベルでした。 この欠乏症レベルのグループは、適切な血中ビタミンD濃度のグループと比べると、高血圧の発症リスクが47%高いことがわかりました。 さらに血中ビタミンD濃度で4つのグループに分けて比べたところ、もっとも濃度が低いグループは、もっとも濃度が高いグループと比べて高血圧の発症リスクがおよそ66%高かつたのです。

 高血圧の抑制というと真っ先に減塩が挙げられます。 しょっぱいものを食べると喉が渇くことからわかるように、塩分を過剰摂取すると体内の水分量が増えて血圧は上がりやすくなります。 さらに過剰な水分を腎臓から尿として体外へ排泄するためにより血圧は上がりやすくなるのです。ゆえに減塩も大切ですが、それに加えてビタミンDを適切に補うと、より高血圧は抑えやすいのです。

3-7 糖尿病の悪循環を断ち切る

 高血圧と並んで日本人に多い生活習慣病といえば糖尿病。 糖尿病とは、血糖が高い高血糖状態が続いて血糖値が下がりにくくなる病気です。 厚生労働省の『平成26年患者調査の概況』によると、糖尿病の患者数は316万6000人。3年前の調査と比べて46万6000人増えて、過去最多を記録しました。 全世界では糖尿病患者は2014年までに4億2200万人にものぼり、2012年には糖尿病によって世界で年間150万人もの命が失われたという統計もあります。

 糖尿病には1型と2型があります。 1型は免疫系の異常による自己免疫疾患により、血糖値を下げるインスリンというホルモンを分泌する膠臓のβ細胞が破壊されて起こります。体内で血糖値を下げるホルモンはインスリンだけなので、β細胞が破壊されると高血糖状態が続きます。 2型は生活習慣によってインスリンの分泌量が減ったり、インスリンの効き目が落ちる「インスリン抵抗性」が起こったりして生じます。

 ビタミンDの摂取は糖尿病の1型にも2型にも効果的です。インスリンを分泌する膵臓のβ細胞にはビタミンDの受容体があります。 ビタミンDがこの受容体に結合すると、インスリンが分泌されやすくなるからです。

 腎臓はビタミンDを活性化するという重要な役割を担っています。糖尿病だと腎臓が障害されるため、ビタミンDが欠乏しやすくなり、インスリン分泌が落ちて余計に糖尿病が進みやすくなるという悪循環に陥ります。ですから、ビタミンDの摂取が有効なのです。

 血糖値が上がるのは、ご飯やパンや砂糖などに含まれている糖質のせい。糖尿病を予防するには、糖質の過剰摂取を避ける必要があります。 それに加えてビタミンDの摂取を増やすことが糖尿病の予防に役立ちます。 ビタミンDを投与して血中ビタミンD濃度を上げると、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害といった合併症を抑えるとされています。

3-8 心不全や脳卒中のリスクが下がる

 動脈硬化とは、動脈が柔軟性を失って内腔が狭くなり、血栓という血の塊が詰まりやすくなった状態。動脈が心臓で詰まると心筋梗塞や狭心症などの心臓病を起こし、脳で詰まると脳梗塞や脳出血といった脳卒中を起こします。

 アテローム性動脈硬化とは、高血圧や高血糖によって傷ついた血管の隙間から悪玉(LDL)コレステロールが動脈内に入り込み、酸化されると、異物として認識した白血球の一種であるマクロファージに捕食されてその死骸が「アテローム」と呼ばれる粥状の塊になることが発端です。

 アテロームの中身はコレステロールやマクロファージの死骸であり、アテロームが増えると動脈は柔軟性を失って内腔が狭くなる動脈硬化を起こしやすいのです。  ビタミンDは血管や心臓の受容体に結合すると、アテローム性動脈硬化と心臓病を直接防ぐ働きがあるのです。

 高血圧や糖尿病による高血糖は動脈と心臓に負担をかけますが、すでにみたようにビタミンDは高血圧と糖尿病を予防してくれますから、間接的にもアテローム性動脈硬化と心臓病を防ぐ作用があると考えられます。 またビタミンDが欠乏すると副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が促されるようになります。PTHは血管に損傷を与えたり、血圧を上げたり、心臓の心筋を肥大させたりする働きがあるため、アテローム性動脈硬化と心臓病のリスクが高まります。

 研究では、血中ビタミンD濃度の正常群(30ng/ml以上)と欠乏群(30ng/ml未満)という2つのグループに分けて分析し、心血管疾患による死亡者は正常群で1%(43人)だったのに対して、欠乏群では4%(293人)と有意に高いことがわかりました。  またビタミンDの補充は、とくに心血管疾患による死亡リスクを約60%減らす効果があり、ビタミンD欠乏群ではとくに有効だったそうです。

3-9 メタボの人ほどビタミンDを摂れ

 肥満(内臓脂肪型肥満)が源流にあり、高血圧、高血糖(糖尿病)、脂質異常症のうち2つ以上併発している状態を、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、通称メタボ)と呼びます。 メタボは動脈硬化のリスクファクターであり、心臓病と脳卒中の危険度を高め、脂肪細胞は体脂肪(中性脂肪)を溜める単なるタンクではなく、全身の代謝に影響を及ぼしているアディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質を分泌しています。

 内臓のまわりにある内臓脂肪が溜まりすぎると、内臓脂肪から血圧を上げるアンジオテンシノーゲン、インスリン抵抗性を高めるTNF‐α、血栓を作りやすくするPAI‐Iといった悪玉アディポサイトカインが分泌されるようになり、逆に動脈硬化を抑えるアディポネクチンという善玉アディポサイトカインの分泌が抑えられるようになります。

 メタボ健診では、ヘソの位置で測る腹囲が男性で85m、女性で90mを超えると、内臓脂肪の溜まりすぎによる内臓脂肪型肥満と判定されます。 さらに、高血圧、高血糖(糖尿病)、脂質異常症のうち2つ以上併発しているとメタボと判定されて指導の対象となります。 メタボと判定される人の割合は男性で約30%、女性で約20%に達します。 メタボになると減量で内臓脂肪を減らすことと、同時にビタミンDの摂取量を増やすと動脈硬化、心臓病、脳卒中のリスクがおそらく下げられるのです。

3-10 かぜやインフルエンザを予防

 ビタミンDをサプリメントで補給すると、かぜやインフルエンザといった感染症(感染性呼吸器疾患)を予防するのに有益だという報告があります。 毎年世界で何百万人もの犠牲者を出しています。 ことにインフルエンザは高齢者では肺炎などの合併症を起こして死に至る危険があります。 ビタミンDが感染性呼吸器疾患を防ぐメカニズムは次のように考えられます。

 急性呼吸器性疾患とビタミンDの関わりを調べたメタアナリシスがあります。 この研究によると、ビタミンDの摂取により、もともと血中ビタミンD濃度が低い人は呼吸器性感染症の罹患リスクが半減していたことが明らかになりました。 さらにビタミンDサプリメントの摂取をした群は、33回の感染実験のうち1回の感染が防げることが判明。一方、インフルエンザの予防接種をした群は、40回の投与で1回の感染しか防ぐことができなかったとされています。このことから予防接種よりもビタミンDの摂取のほうが有効だと考えられます。また、ビタミンDサプリメントは、毎日もしくは毎週摂取したほうが、1ヵ月に一度大量に摂取するよりもインフルエンザの予防効果は高く、さらに、もともとビタミンD不足の人のほうが効果がありました。

 高齢者と並んでインフルエンザのリスクが高い子どもに関しては、東京慈恵会医科大学の浦島充佳博士らによる次のような研究があります。 この研究では6歳から15歳までの子ども334人を1日1200IUのビタミンDを補充した167人のグループと、補充を行わない同じく167人の対照群にわけて冬季4ヵ月間観察しました。 その結果、対照群のインフルエンザ発症リスクを1とした場合、ビタミンD補充群では相対リスクは0.58と、42%も減らせることがわかったのです。

3-11 筋肉を増やす作用がある

 ひと口に筋肉といってもおもに骨格筋、平滑筋、心筋の3タイプがあります。 骨格筋は骨と骨について関節を動かす筋肉であり、これが俗にいう筋肉。平滑筋は血管や内臓などを作り、心筋は心臓専用の筋肉です。 いずれの筋肉にもビタミンDの受容体があり、筋肉の代謝にビタミンDが影響を与えています。

 筋肉が出せる筋力は筋肉の断面積に比例します。つまり太く大きい筋肉ほど大きな力が出せるのです。太さと大きさで決まる筋肉量は運動量を反映しており、運動による刺激が多いと筋肉量は増えますが、運動による刺激が少ないと筋肉量は減ってしまいます。 他の組織と同じように筋肉も加齢で減少する傾向がありますが、ことに運動量(活動量)が減る40歳以降は筋肉が衰えやすくなります。 「老化は足腰から」というように、ことに衰えやすいのは下半身の筋肉。下半身の筋肉の衰えは転倒や骨折のリスクとなり、自らを支えて自立する能力の低下からロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)の一因となります。

 下半身には全身の筋肉の3分の2ほどが集まっており、上半身の筋肉と比べて下半身の筋肉は太くて大きく筋力も高いのが特徴。上半身の筋肉は小さくて筋力も低いので、買い物で荷物を持ったり運んだりするだけでも十分刺激されます。 それに対して下半身の筋肉は大きくて筋力が高いので、刺激するにはそれなりの運動量が求められます。 ところが、足腰が衰えると歩くのがしんどくなって歩数が自然に減り、階段を避けてエスカレーターやエレベーターを利用するようになり、運動量の低下から下半身の筋肉がますます衰えるという悪循環に陥ります。

 刺激して鍛えると太く大きくなるのは速筋線維であり、運動不足や加齢でとくに衰えやすいのもおもに速筋線維です。速筋線維が衰えるとバランスを崩したときに瞬時に対応できなくなるため、転倒や骨折を起こしやすくなります。 ビタミンDを摂取すると、タンパク質合成が高まりやすいのは速筋であり、転倒や骨折のリスク低減につながります。

3-12 不足すると認知症になりやすい

 ビタミンDは、脳にプラスの作用をもたらすことも考えられます。  脳は1500億個ともいわれる神経細胞の集合体(諸説あり)。この神経細胞にもビタミンDの受容体があります。神経細胞を支持している「クリア細胞」にもビタミンDの受容体があり、脳でもビタミンDが重要な働きをしていることを示唆しています。

♥ビタミンD欠乏世界的に注目されているのが認知症

 認知症とは、後天的に神経細胞が減ったり、働きが悪くなったりしたため、記憶、見当識(時間、場所、人物などの把握状況)、判断力といった脳の認知機能が低下するもの。  これらの中核症状以外にも、幻覚、妄想、徘徊、異常な食行動、睡眠障害、抑うつ、不安といった行動・心理症状(BPSD)が見受けられます。

 2012年の時点で、日本では65歳以上の高齢者のおよそ15%が認知症で、全国に462万人の認知症高齢者がいるとされます。  認知症の予備群である軽度認知障害(MCI)の高齢者もおよそ400万人おり、65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症かその予備群とされています。

♥認知症で多いのはアルツハイマー病によるもの。

 かつては脳の血管が障害されて生じる脳血管障害型が多かったのですが、現在では日本人の認知症患者のおよそ60%はアルツハイマー型認知症となっています。 アルツハイマー病はアミロイドβやタウという特殊なタンパク質が脳に溜まり、正常な神絲細胞の機能を損なって生じます。

 アメリカ神経学会は、ビタミンDが欠乏している高齢者は、アルツハイマー病による認知症になりやすいという研究を発表しています。

 ビタミンDには、神経成長因子や脳由来神経栄養因子の合成を促進する作用がありますから、認知症の予防につながると考えられています。 最近増えているパーキンソン病も認知症の原因となります。 パーキンソン病とは、脳内で神経伝達物質のドーパミンが減り、身体を動かしにくくなるなど、運動機能に障害が起こる病気です。

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Ⅳ.アレルギーに勝つビタミンDの底力

4-1 ビタミンDと花粉症の深い関係

♥花粉症はスギ等の花粉に対するアレルギー疾患

 日本では、花粉症の70%ほどはスギ花粉によるスギ花粉症。 植林政策でスギ林が全国の森林の18%、国土のおよそ12%を占めているため、日本では5人にI人がスギ花粉症などの花粉症に悩んでいるとされています。 スギ花粉以外にも、春先はヒノキ、初夏はイネ科、秋口はキク科の花粉が増えるため、それぞれに対する花粉症もあります。

♥ビタミンDの不足でなぜ花粉症に

 ビタミンDの不足でなぜ花粉症になり、ビタミンDを摂取するとなぜ花粉症の症状は軽くなるのでしょうか。その鍵を握るのは、免疫の「寛容」の誘導です。免疫は外からの侵人行を発見して排除するシステムです。 免疫反応にはアクセル役とブレーキ役があり、過剰な免疫反応が起こらないように調整しています。これを免疫の「寛容」と呼びます。

 白血球などの免疫を担う細胞には、ビタミンDの受容体があり、ビタミンDと結合すると「寛容」を誘導しやすくなります。ビタミンDが不足していると、この「寛容」が正しく働かないため、花粉を寄生虫と誤認して大騒ぎしてしまうのです。ビタミンDを摂ると「寛容」が正しく誘導されるため、花粉症の症状が抑えられます。

 免疫寛容の立て役者となるのは、制御性T細胞と呼ばれる「Treg(ティーレグ)」。ビタミンDはこの制御性T細胞の発現と機能に重要な役割を果たしています。 ビタミンDが誘導する「寛容」の一つに「経口免疫寛容」があります。これは簡単に言うなら「食べたものにアレルギーを起こさないようにしよう」という反応です。 日光と土壌と大気中から必要な栄養素と子不ルギーを過不足なく作り出せる植物と違い、ヒトなどの動物は食べものから栄養を取り入れないと生きられません。生きるのに必須な食べものを免疫が敵視していちいち排除していたら、遅かれ早かれ飢え死にするのが関の山。 そこで、これは食べられると判断して口から体内に入れたものには、アレルギーを起こさせない仕組みがあるのです。

 具体的には、口のまわりにあるリンパ組織の口蓋扁桃などで、免疫細胞の一種である樹状細胞が口から食べたものを外敵ではない「抗原」として認識します。 免疫システムはこの「抗原」を認識した樹状細胞を、食べものを体内へ取り込む玄関口となる腸管へとはるばる先回りさせて「これは食べたものだから、免疫反応を起こさないように!」という指令を伝えるのです。 この移動をホーミングと呼びます。ちなみに小腸と大腸からなる腸管は、身体の外と内の境目で免疫反応の最前線となる器官。身体の入り口は口ではなく、食べ物を消化吸収して取り込む腸管なのです。

 花粉症の治療に用いられる「舌下免疫療法」はこの「経口免疫寛容」を利用したもの。 「舌下免疫療法」では、アレルギーの原因となる花粉などの「抗原」を小さく切った食パンなどに付着させて舌下に置きます。すると花粉などの「抗原」を口から食べたものだと誤解してホーミングが起こるため、「寛容」が誘導されて花粉症が抑えられるのです。 この「舌下免疫療法」も2シーズンの実施で15%ほどしか効果がないことが知られています。これは「寛容」を誘導するためにはビタミンD以外の要素も関わっているからです。

4-2 ビタミンDで花粉症を治す戦略

 ビタミンDは日光浴で合成するのが基本ですが、花粉症のような病気の治療ではビタミンDが確実に補充できるサプリメントを活用します。  ビタミンDの血中濃度を目標値で安定させるためには、肝臓や脂肪組織に十分なビタミンDを貯蔵する必要があります。それにはおよそ3ヵ月かかります。

 ビタミンDの大量摂取で花粉症の症状が軽くなった気がしても、体内に十分なビタミンDがないと効果は一時的なものに留まるからです。  サプリメントで1日100ug(4000IU)を3ヵ月間摂ってから、医療機関で血中ビタミンD濃度を測定して、充足レベルを超える最適レベルである50~90ng/ml(125~225mol/L)に達していることを確認します。  最適レベルまで達した後は摂取量を半減させ、食事やサプリで1日50ug(2000IU)の摂取を続けるという指導をします。

 皆さんが花粉症に自分で対処したいなら、まずは毎朝100ug(4000IU)のビタミンDをサプリメントで摂ります。

 始めのうちは午後になると血中濃度が下がってしまい、症状がぶり返します。そうしたら午後にもう一度100ug(4000IU)摂取します。この繰り返しで体内に徐々にビタミンDが蓄積されてくると、午後になってからの症状のぶり返しが起こらなくなります。 ぶり返しがなくなったら、ビタミンDが肝臓や脂肪組織に蓄積されて血中ビタミンD濃度が安定してきたサイン。 そこから先は日光を浴びて、皮下でビタミンDを作ることを習慣にしながら摂取量を半減させて、食事やサプリで1日50ug(2000IU)の摂取を継続すれば大丈夫です。

♥花粉症の対処法まとめ

  1. 毎朝100ug(4000IU)のビタミンDをサプリメントで摂る
  2. 午後にぶり返したら、もう一度100ug(4000IU)摂取
  3. 安定してきたら、「日光浴十食事ORビタミンDサプリメント50ug(2000IU)」を継続

 この方法でも花粉症が軽くならないときは、口や鼻などの粘膜のバリア機能が破綻している恐れがあります。粘膜が正常に働いてくれないとビタミンDの威力も半減するのです。  ビタミンDはバリア機能を正常に働かせるためにも有効ですが、それ以外にも良質のタンパク質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛、鉄などが欠かせません。  粘膜を作っているのはコラーゲンというタンパク質であり、立派なコラーゲン組織を作り上げるにはビタミンCと鉄が欠かせません。

 ビタミンAは粘膜の健康を守り、亜鉛はタンパク質合成のシグナルを担い、ビタミンB群は細胞分裂に必要な于不ルギーを与えてくれます。これらの栄養素の詳しい働きと摂取法については第五章を参照してください。  空気が乾燥していると粘膜の機能は下がりますから、マスクや加湿器などで粘膜の潤いを保つ工夫も怠らないようにしましょう。

 最後に忘れてはいけないのが、アレルギー反応を誘発している花粉の排除。  花粉症の患者さんは日常的に行っていることですが、ビタミンDを摂取しても大量の花粉に暴露し続けているとまたアレルギー反応がぶり返す恐れがあります。

4-3 フードアレルギーも軽快する

 食べたものにアレルギー反応が起こってしまうフードアレルギーには、食べてすぐに生じる即時型と、食べてしばらくしてから起こる遅延型(非即時型)があります。

 食べ物には本来「経口免疫寛容」が働いて、過剰な免疫反応に伴う炎症、つまりフードアレルギーが起こらないようになっています。 ビタミンDが足りないと「経口免疫寛容」が誘導されにくいため、遅延型フードアレルギーが起こりやすいのです。

♥フードアレルギー対策①『食べすぎ』の是正

 食べているものすべてにアレルギー反応が出るわけではなく、出るものと出ないものがあり体質による個人差もありますし、食材によっても異なりますが、現代人が遅延型フードアレルギーを起こしやすい食材に卵、牛乳、ヨーグルトが挙げられます。 これらの食材はいずれもタンパク源ですが、同じタンパク源でもビタミンDが豊富な魚類、亜鉛や鉄などのミネラルも含んでいる肉類はフードアレルギーが起こりにくいという特徴があります。

♥フードアレルギー対策②「腸管バリア機能」の是正

 腸管バリア機能が完全に破綻しているなら、アレルギー反応を引き起こす頻度の高い卵や牛乳・乳製品以外に、日常的に食べているものまで反応します。  この場合、アレルギー反応を起こすものを除去しようとすると、何も食べるものがなくなって栄養とカロリーの欠乏を招いてしまいます。そこでアレルギー頻度の高い卵や牛乳・乳製品を除去しながら、腸管バリア機能の再生に取り組みます。基本的な戦略は花粉症と同じであり、次の3つのポイントを押さえます。

 第一に「経口免疫寛容」を誘導してくれるビタミンDとビタミンAを補充します。ビタミンDは1日100ug(4000IU)をサプリメントで摂り、症状が軽くなったら摂取量を半減させて食事やサプリで1日50ug(2000IU)を摂取します。  ビタミンAは週2回、1回10000IUを摂取します。ビタミンAが豊富な豚レバーなら約25g(焼き豚のレバーー串)でOKです。

 第二にアレルギー反応を軽減するために、オメガ6脂肪酸を減らし、オメガ3脂肪酸の摂取を増やします。オメガ6脂肪酸はサラダ油、加工食品やファストフードなどに多く、オメガ3脂肪酸はサバやイワシなどの青魚やアマニオイルなどに含まれています。

 第三に腸内環境のアンバランスの是正への取り組み。  腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が共生しており、その勢力次第で腸内環境は変わります。アレルギー反応を抑えるには善玉菌優勢な腸内環境に整えるべきです。それには善玉菌の代表であるビフィズス菌や乳酸菌を外から補充するより、自らに備わっている善玉菌を。ポパイのホウレンソウ”となって元気づける水溶性食物繊維やオリゴ糖の摂取が有効です。

4-4 アトピー性皮膚炎の対策にも有効

 アトピー性皮膚炎で悩む人は年々増えています。筆者自身もその一人でしたが、本章の冒頭で触れたビタミンDとの出合いにより、現在ではほぼ完治しています。  アトピー性皮膚炎とは、汗や紫外線、乾燥といった外部からの刺激により、皮膚にかゆみや赤み、湿疹、肌荒れなどを起こすもの。子どもでも大人でも罹ります。  アトピー性皮膚炎の背景にあるのは、免疫バランスの乱れ。ことに免疫の寛容を誘導してくれる「制御性T細胞」の不足が問題です。ビタミンDは制御性T細胞の働きを助けます。 ビタミンDの摂取法は花粉症やフードアレルギーの場合と同じです。

 アトピー性皮膚炎のバックグラウンドには、フードアレルギー(食物過敏症)もありまり。何か。一つでもアレルギー疾患に罹っていると、全身に慢性的な炎症が起こりやすくなります。それが皮膚で生じるとアトピー性皮膚炎となるのです。ですから、前述の①「食べすぎ」の是正と②「腸管バリア機能の破綻」の是正でフードアレルギーを克服すると、それだ けでもアトピー性皮膚炎はずいぶん軽くなります。

 加えて取り組みたいのは、皮膚のバリア機能の立て直しです。  つねに外敵に晒されている皮膚は抗菌成分を分泌しています。アトピー性皮膚炎の誘因となっているのは、この皮膚の抗菌力の低下と保湿力の低下。皮膚には多くの細菌(常在菌)が棲み着いて、健常人では皮膚はPH5~6の弱酸性に保たれて抗菌性を示しています。

 弱酸性に保つ善玉菌の代表格は、表皮ブドウ球菌。生まれつき何らかの理由で弱酸性に保つしくみが弱いと、アルカリ性の環境を好む「黄色ブドウ球菌」のような悪玉菌が増えてきます。黄色ブドウ球菌はアトピーを引き起こす要因となるアレルゲンでもあり、黄色ブドウ球菌が作り出す毒素が皮膚炎を悪化させていると考えられます。

 アトピーで炎症を起こした皮膚からは、多くの黄色ブドウ球菌が検出されますし、健康な皮膚には黄色ブドウ球菌はほとんど見受けられないのです。大切なのは皮膚を清潔に保つことです。黄色ブドウ球菌は軽くシャワーを浴びるだけでは取れにくいのが難点。可能なら朝と夜の1日2回、浴槽入浴で黄色ブドウ球菌を減らしてください。入浴後は皮膚の保湿成分がさらに失われ、皮膚環境が悪くなっていますから、セラミドやヒアルロン酸を含む化粧水をたっぷり使って保湿を忘れないようにします。  加えてビタミンDが作る抗微生物ペプチドは黄色ブドウ球菌に対抗してその量を減らし、アトピー性皮膚炎の軽快に役立ちます。

4-5 免疫システムを正常化してくれる

 現代人に増えているのが関節リウマチ、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)、多発性硬化症(MS)、1型糖尿病などです。これらは生じる場所や症状はさまざまですが、いずれも自己免疫疾患に分類されるもの。免疫システムの乱れにより、炎症などが継続して起こります。自己免疫疾患の詳しい原因は不明ですが、そのバックグラウンドにも、免疫システムを正常化するビタミンDの不足があるとされています。  代表的な自己免疫疾患である関節リウマチに関しては、ビタミンDとの関わりが明らかになっています。関節リウマチとは、手足や膝などの関節内で炎症が起こり、腫れや痛みが生じる病気。炎症が続くと、骨を代謝する破骨細胞が活性化し本来壊すべき古い骨だけではなく、新しい骨まで壊してしまうため、軟骨や骨の破壊が進みます。  臨床リウマチ学の専門誌に掲載されたポーランドの研究によると、リウマチ患者(97人、平均年齢59.4歳)の76.3%にビタミンD欠乏が見受けられました。また血中ビタミンD濃度が低いほど、リウマチの活動度が高くて、生活の質(QOL)が低い傾向が見受けられました。

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Ⅴ.ビタミンDを効率よく得る方法

5-1 日光浴でのビタミンD生成

1.季節・時刻・気象条件
 紫外線(UVB)量は一年のうちでは7~8月がもっとも多くなります。  その前後の4~6月、9月で1年間のおよそ70~80%が降り注いでいます。  照射量が少なくなる10月から翌3月までは意識して日光を浴び、イワシや鮭のようにビタミDが多い魚類などを意識して食べ、必要に応じてサプリメントを組み合わせてください。

    一日のうちでは正午を挟む2時間前後がもっとも強い
  1. 夏季なら午前10時~午後2時に1日のうち、およそ6割
  2. 冬季なら午前10時~午後2時に1日のうち、およそ7~7.5割(夏季に比べ、日照時間が短いため)が降り注いでいます。
  3. より多くのビタミンDを作るなら正午前後、地域や季節にもよりますが、1日20分程度を目安に、太陽を浴びましょう。

気象条件では晴天時がもっとも高くなり、これを100%とすると、紫外線量は薄曇りで80%、曇り空では60%位まで減ります。 また、晴天時でも日陰ではUVB量は日なたの半分ほどに落ちます。

2.地理的条件

本州エリアでは冬季に入るとUVB量が減り、皮下でのビタミンDの合成量も落ちます。意識して日光を浴び、ビタミンDの多い魚類などを食べ、必要ならサプリメントを活用してください。

3.暴露条件~時間と面積

皮膚をどれだけ広く日光にさらすかという「皮膚露出面積」と、さらしている時間である「暴露時間」にビタミンD生成量は左右されています。 皮膚露出面積が増えて暴露時間が長くなるほど、同じUVB量を浴びても皮下で生成されるビタミンD量は増えます。

    着衣時に通常露出しているのは顔面と両手の甲であり、標準的な体型で600平方cmに相当します。
  1. 顔面と両手の甲に加えて、両腕と膝から下を露出する半袖+半ズボンという服装ではその倍である1200平方cmに拡大します。
  2. 表面積が2倍になると得られるビタミンD量は2倍、同じ量のビタミンDを得るために必要な暴露時間は半分になります。

どの程度の日光浴で、健康リスクが減らせる1日100ugのビタミンDが皮下で合成できるかを考えてみましょう。
国立環境研究所と東京家政大学の研究チームは、夏季(7月)と冬季(12月)に10ugのビタミンDを日光浴で生成するための時間を計算して公表しています。 UVBが多い夏季(7月)の正午前後であれば、10分以内に10ugのビタミンDが生成できる。

5-2 ビタミンD生成に関わる個人差

同じ量の紫外線を浴びても生じるビタミンDの量には個人差があります。

  1. 皮膚の色(日焼けし過ぎの人や黒人などはビタミンDが作られにくい)
  2. 体脂肪量(太り過ぎは血中ビタミンD濃度の上昇がおこりにくい)
  3. 60歳あたりから加齢による影響で、日光浴でのビタミンD合成がむずかしくなります。
     食品やサプリメントからのビタミンDの吸収率には変化はありませんが、皮下でのビタミンD生成量は若年者層の3分の1以下に低下します。60歳くらいからは、日光浴をしても十分なビタミンDが生成されない恐れがあるため、若年者層以上に食品やサプリメントからのビタミンD摂取が欠かせません。

5-3 ビタミンDサプリでもいい

推奨するビタミンDの皮下での合成と摂取は、一日100ug(4000IU)ですが、しかし、魚類やキノコ類にビタミンDが多いといっても、毎日食べ続けるとどうしても飽きてしまいます。
それに十分な日光浴ができないと、食事だけでビタミンDの摂取量を増やすのは無理なこともあります。 そこで積極的に利用したいのはビタミンDサプリメントです。  

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 本記事は斎藤糧三著「病気を遠ざける1日1回日光浴」日本人の知らないビタミンDの実力によります。

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