国は、2015年4月より高齢社会の「健康寿命延伸とセルフメディケーションの推進」を図るため、食品の機能性を活用した 「健康食品機能性表示制度」を実施します。
これまでは機能性表示ができるのは、国の審査で有用性が認められた特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品だけでした。今後は、薬剤の形状をしたサプリメントだけでなく、加工食品や生鮮食品にいたるまで、全ての食品に、食品の持つ健康に良い機能性の表示が(メーカー責任で)可能になります。
日に日に寒くなる季節を迎え、ふだん体をあまり動かさない人はますます運動不足になりそう。だが寝たきり予防など高齢者の健康維持には「歩行」と「筋力トレーニング」の両方のセットが大切という。歩くのは少しずつの累積でも意味があるので、まずは取り組むことが重要だ。国の支援で効果などの社会実証事業も始まった。
「高齢者がいつまでも元気に健康を維持するには、脳と動脈と筋肉をどう若返らせるかがキーポイントだ。それに必要なのが有酸素運動と筋トレだ」と筑波大学の久野譜也教授は指摘する。有酸素運動とはウオーキングやジョギングなど比較的時間を継続してできる運動のことだ。
日本人の高齢者が寝たきりになる原因は認知症、脳卒中、転倒・骨折の3つが大きな比率を占めている。久野教授が言及した脳は認知症にかかわる。動脈硬化などは脳卒中につながり、筋肉が衰えれば転倒して骨折する恐れも高まる。これらを改善できれば、寝たきり予防にも役立つと期待できるわけだ。
有酸素運動は血管の健康にとって重要で、筋トレはもちろん筋力の維持につながる。脳と認知症に関しては運動でアルツハイマー病が治るという意味ではないが、一部の軽度認知症では有酸素運動と筋トレの組み合わせが予防に有効という研究報告も世界的に出てきているという。
日ごろ何もしていない高齢者にとって手軽な有酸素運動は歩くことだろう。目標はまず1日に合計で8000歩だ。これは一度にまとめてでなくても、細切れに分けてでもよいという。
続きはこちらへ日本経済新聞 健康づくり [ 出典 ] 日本経済新聞 2014年4月5日
仕事中は、パソコンの前に張り付き、暇さえあればスマートフォンをチェックする――。背中を丸めて画面を凝視していると、目の疲れに始まって、首、肩にじわりと不調が広がっていく。こんな典型的な現代のライフスタイルが原因で、体が凝り固まり、節々の痛みに悩まされる人は少なくない。
「痛みをかばって動かさずにいると、血行が悪くなり、体の柔軟性が失われる。意識してほぐす習慣が必要です」。東京医科歯科大整形外科教授で、「痛みとりストレッチ」の著書がある宗田大さんは助言する。
例えば、国民の6~7割が悩んでいるとされる肩こり。2本足で約10キロある頭を支え、両腕がぶら下がっている状態は、首から肩、背中にかけた広範囲を疲れさせ、筋肉の緊張を高める。特に、背中側の肩甲骨周辺には「肩こり筋」と呼ばれる筋肉が複数ある。
そこで宗田さんが勧めるのが、肩をゆっくりと上下させるストレッチだ。
力いっぱい両肩を持ち上げた状態を5秒間保った後、肩の力を抜いて、元の位置に戻す。肩こり筋に働きかけるこの動作を5~10回、繰り返す。肩を上げて静止している間、息をふうっと大きく吐くと、より効果は高いという。
仕事の合間の息抜きとして数時間おきに動かすのがお勧めだ。
ストレッチは単調な動作の繰り返し。始めたものの三日坊主という人も多いだろうが、「サボってもいいけれど、やめてしまわないように。小さな積み重ねが、将来、我が身を助けます」と宗田さん。
ストレスにさらされる日々。心と体を緊張から解き放つすべを身につけて、凝りと痛みの悪循環から抜け出したいものだ。
[ 出典 ] 2014年9月14日 ヨミドクター(読売新聞)による